F1 サウジアラビアGP
F1メカ解説|世界最速の市街地コース……空気抵抗の削減は必須。サウジアラビアに各チームが持ち込んだ”ロードラッグ”仕様パッケージ
スロットルを全開にする区間の多いジェッダ市街地サーキットを舞台に行なわれているサウジアラビアGP。故に各チームは、空気抵抗の少ない仕様のマシンを持ち込んでいる。

Matt Somerfield
公開日時: 2023/03/19 8:07
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ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
2021年に初開催されたサウジアラビアGP。舞台となるジェッダ市街地サーキットは、世界最速の市街地サーキットと言われるコース。コースはウォールに囲まれているものの、予選アタックでは平均速度250km/hを超える。アクセル全開で走る区間も多く、マシンの最高速が順位を大きく左右する。
その対策として各チームは、サウジアラビアに低ドラッグ仕様のマシンを持ち込んでいる。本稿ではそのうちのいくつかを紹介していこう。
■フェラーリ
フェラーリは今回のサーキットに対する課題に取り組むだけでなく、今後も見据えたパフォーマンス向上を目指すため、SF-23に微調整を投入した。
その中のひとつがフロントウイングだ。フラップが薄くされただけでなく、フェラーリはそのフラップと翼端板の接続部分にも変更を加え、空気抵抗を削減してきたのだ。
フラップと翼端板の接続部後端には、切り欠きが追加されている。これは、今シーズンのレギュレーションで阻止しようとされた、アウトウォッシュの効果を取り戻すための処理だろう。
今回フェラーリが持ち込んだ解決策は、現時点での問題を解決するための解決策という側面が強いかもしれない。しかし、変更が施されたのは最後尾のフラップのみであるため、今後のレースに向けてより確実な改善策が準備されているかもしれない。
Ferrari SF-23 technical detail
Photo by: Jon Noble
フロア端にも変更が加えられた。前方の切り欠き、そしてリヤの盛り上がりの部分の形状が変更された。これによって気流の抜けが改善されたため、フロア下のパフォーマンスが向上しているはずだ。
またフェラーリは、バーレーンGPで試した1本ステーのリヤウイングを復活させた。バーレーンでは異常振動が見られて採用が見送られたが、サウジアラビアではそのようなシーンは見られていない。このリヤウイングは、ダウンフォースを減らすだけでなく、空気抵抗の削減も助けるという。ビームウイングにも変更が加えられ、ここでも空気抵抗が減らされている。
■レッドブル
レッドブルも、サウジアラビアGPには新しいリヤウイングを持ち込んだ。しかし外見という点では大きな違いはなく、ダウンフォースを減らしたわけではない。その代わりに、コーナーで十分なダウンフォースを発生させながらも、バーレーンで使ったモノよりも空気抵抗が減らされているようだ。
Red Bull RB19 rear wing
Photo by: Uncredited
ビームウイングにも変更が加えられており、リヤウイングと連動する形で、適切なレベルのパフォーマンスを発揮している。
■メルセデス
メルセデスは、バーレーンGP持ち込んだモノと比較して、外側のフロアフェンスのキャンバーに小さな変更を加えた。
これは微妙な変化だが、チームはフロア下とディフューザーへ気流が改善することを目指しているようだ。
一方でリヤウイングは、ジェッダ市街地コースの特性により適したモノに変更された。フラップは中央の部分(青い矢印の部分)が切り取られ、翼端板の後端の角にもパネルが取り付けられた。
このソリューションは、アルピーヌが昨年のサウジアラビアGPに初めて持ち込んだモノ。メルセデスはこのソリューションを踏襲し、ダウンフォースが低いパッケージが求められるサーキットには、独自のバージョンを登場させた。
■アストンマーチン
アストンマーチンは、開幕戦で躍進。しかし最高速の部分では苦しんだとも言われる。それもあってか、サウジアラビアGPにはフラップ後端が削り取られた仕様のリヤウイングを持ち込んだ。
Aston Martin AMR23 detail
Photo by: Uncredited
これはリヤウイングだけではだけではない。フロントウイングもフラップの後端が切り取られているし、ビームウイングの変更も行なわれている。
今季はパフォーマンスが大幅に向上したアストンマーチン。サウジアラビアでもその勢いを続けられるかどうかは、このアップデートにかかっているだろう。
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