サウジアラビアF1プロモーター、複数のドライバーと”人権問題”について話し合ったと明かす

サウジアラビアGPのレースプロモーターは、12月のグランプリ初開催に先立ち、同国の人権問題についてすでに複数人のF1ドライバーと話し合いを行なったという。

Prince Khalid Bin Sultan Al Faisal, President of the Saudi Arabian Motorsport Federation, Toto Wolff, Executive Director - Business, Mercedes AMG, Sergio Perez, Racing Point

Prince Khalid Bin Sultan Al Faisal, President of the Saudi Arabian Motorsport Federation, Toto Wolff, Executive Director - Business, Mercedes AMG, Sergio Perez, Racing Point

Steven Tee / Motorsport Images

 今年の12月、サウジアラビアでF1グランプリが初開催される。舞台は首都リヤドに次ぐ大都市であるジェッダの市街地コースであり、2023年以降はリヤド近郊のキディヤに新設される常設サーキットに開催地が移される予定である。

 しかしこのグランプリ開催については、アムネスティ・インターナショナルなどの人権保護団体から「この国の酷い人権侵害の歴史をスポーツでごまかそうとする、スポーツウォッシュの一環である」などと非難されている。

 メルセデスのルイス・ハミルトンは、この人権問題の解消に積極的なドライバーのひとりであり、F1がレースを行なういくつかの国で人権に関する「大規模な問題」を抱えていると語っていた。そして今年の初めには、バーレーンの当局担当者とこの問題について話し合いを行なっている。

 サウジアラビアGPのプロモーターであり、サウジ自動車・オートバイ連盟の会長であるハリド・ビン・スルタン・アル・ファイサル王子は、「ルイス・ハミルトンだけではなく、他の誰とでも、そのような人やメディアと話し合うことができれば幸いだ」と語った。

 7月26日、ハリド王子はmotorsport.comを含む複数のメディアに対して行なったインタビューで、「シルバーストンで数人のドライバーと会った」と明かし、次のように語った。

「彼らの名前を挙げるつもりはないが、ルイス・ハミルトンはそのうちのひとりではなかった。私は彼らの懸念に対処し、そして率直に話し合った」

「私は彼らにこう言ったんだ。『私はあなたに、何かを言うつもりはない。サウジアラビアに来れば、それを見ることができる。もしレース前に来たいのなら、来てそして自分の目で判断して欲しい』とね」

「私が、私の国について何かを言うよりも、自分で見に来て、現地の人たちに会えば、自分の意見持つことができるはずだ」

「フォーミュラEやダカール・ラリーでサウジアラビアに来たことのあるチームや友人もいるだろうと思う。その彼らにも色々と尋ねることができ、そして彼らは意見を語ることができるはずだ」

「私たちの国には、自由に来ることができる。そして、我々の国についてみなさんは自由に意見を語ることができる。なぜなら我々は、これまでに何を進め、どこに向かっているのかということについて自信を持っているからだ。従って、話し合うことについて問題はない」

 サウジアラビアでは2018年からディルイーヤでフォーミュラEを開催し、2020年からはダカール・ラリーの開催地となった。それらを含め、同国では数多くの国際的なスポーツイベントを開催するようになっている。

 またF1は、2020年シーズン以降”We Race As One”のスローガンを掲げ、シリーズをより多様で包括的なモノとすること、そしてその他の社会的な問題に対処することを目指している。

 F1の”We Race As One”のプログラムに沿い、レースがどのように行なわれるかと尋ねられたハリド王子は「緊密に協力」し、「ミッションを調整する」と語った。

「今のところ、物事は我々の間で本当に順調に進んでいる」

「これはサウジアラビアにおいて、この国を開放するという戦略の一部である」

「我々は、サウジアラビア国民やサウジアラビアを訪れる全ての人の生活の質を証明したいと考えている。そのことは、我々の目標を達成するのに役立つ」

 

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