2019年の規則変更は”失敗”だった? F1技術面トップのシモンズ認める
F1のチーフ・テクニカル・オフィサーを務めるパット・シモンズは、オーバーテイクを増やすために2019年から導入されたレギュレーションは、後から考えれば間違ったことだったと認める。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
2019年シーズンから、F1のフロントウイングのデザインを変更するテクニカルレギュレーションが施行された。これは、前を行くマシンと接近して走る際、ダウンフォースを失いにくいようにしたもので、これによってオーバーテイクの回数を増やそうとした。
2021年には、テクニカルレギュレーションがさらに大きく変更される予定になっているが、この2019年の変更は、2021年からの新規則に向けた事前の分析によって生み出されたコンセプトを活用したモノだった。それにより、2021年レギュレーションが成功するかどうかの洞察を得られることが期待されていた。
しかしながら2019年のマシンは、接近して走るのが簡単ではなかった。F1のチーフ・テクニカル・オフィサーであるパット・シモンズは、2019年のレギュレーションは理想からは程遠かったことを認めた。
イギリスで行なわれているオートスポーツ・インターナショナルに登場したシモンズは、2019年のレギュレーションには価値があったのかどうかと尋ねられた際、次のように語った。
「2021年のレギュレーションを整えるにあたり、おそらく私が望んでいたほどではなかった。そのレギュレーション変更は、少し急ぎすぎてしまったかもしれない。そして後から考えれば、それをやるべきではなかったと私は思う」
「2021年に向けてやったことに比べれば、(2019年のレギュレーションでは)前を行くマシンに近付くことに関しては、ほんのわずかなことしか行なっていない。想定された構成を実際に試したことはなかったんだ」
「2018年の半ばまでに多くの調査を実施し、重要だと言われる領域のことについて理解を進めた。しかし、そのルールの効果を実証していなかったんだ」
「だからもう少し、その効果を改善できたはずだと思う。しかしそれは、2021年に向けて行なったことの先例だとは考えていない」
オーバーテイクは相変わらず難しかったとはいえ、昨年のF1では数々の素晴らしいレースが生まれた。シモンズ曰く、このようなレースが来年も続くはずだという。彼はまた、開発を現在のマシンと2021年用マシンに振り分けるのは、チームにとって簡単なことではないと考えている。
「支配的なチームがあれば、それがどのチームであろうと、少し早く(開発を2021年向けに)切り替える余裕があるだろう」
そう彼は語った。
「しかし私は、支配するようなチームがあるとは思わない。先頭争いは良い戦いになると思う」
「そして、特定のチームが支配する状況が終わり、2021年マシンが競い合うようになることを願っている。一方、後方のチームのうちの一部は、2021年のマシンの開発に、もう少し注力することができるかもしれない。だから、今シーズンは良いシーズンになるはずだ」
「一般的に、レギュレーションの変更によって、最初はマシン同士の差が開くだろう。その後で、再び接近していくはずだ。しかし、2021年に良いレースが見られることを願っている」
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