F1のTV放送はもっと面白くできる? メルセデス「まだまだ多くのデータを活用できるはず」
メルセデスのシニアエンジニアであるドム・リーフスタールは、チームの秘密を明かすことなく、テレビ放送やファンの理解を深めるためにもっと多くのデータを利用できると考えている。
写真:: Steve Etherington / Motorsport Images
F1は近年、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)との提携により、タイヤの摩耗、マシン開発、ドライバーのパフォーマンスなどの分野に焦点を当てた、より詳細なデータ分析をテレビ放送で提供している。
当然のことながら、ライバルに対してどんなアドバンテージを持っているのか秘密を明かさないよう、各チームはどんな情報を提供するかについて慎重になっている。
しかし、メルセデスのレースサポートチームのリーダー兼テストエンジニアであるドム・リーフスタールによると、チームは性能面での優位性を失うことなく、より詳細な情報を提供することができるはずだという。
motorsport.comは、今季のF1第17戦アメリカGPの期間中、イギリス・ブラックリーにあるメルセデスのレースサポートルームへの貴重な取材を許可された。ここでは、チームの知られざるヒーローたちがレッドブルとの熾烈な争いを支えている。
リーフスタールは、レースサポートルームの運用を監督する立場にあり、チームの全データチャンネルにアクセスすることができる。
しかし彼は、育児休暇中にテレビ放送でF1を見た際、ファンにもっと多くのデータを提供するチャンスがあると感じたようだ。
「ファンや一般に向けて、あるいは解説者やレースについて話をしている人たちに、提供できるデータはまだまだたくさんある。視聴者がストーリーをより深く理解し、背景にあるものを理解するのに役立つはずだ」
「もし、より多くのデータが利用可能で、データの読み方や説明の仕方を理解している人がいれば、実際に起こっていることをより良く見せることができる」
Stoffel Vandoorne, Mercedes, Toto Wolff, Team Principal and CEO, Mercedes AMG, and James Allison, Technical Director, Mercedes AMG, in the garage
Photo by: Steve Etherington / Motorsport Images
「FP2では、(レッドブルのマックス)フェルスタッペンとルイス(ハミルトン)のラップを重ね合わせて『見てください。彼はここでタイムを稼いでいますが、ここでは負けています』とか、『違うウイングを使っています』とか、『違うPUモードを使っています』とか、『彼はエンジンパワーを上げています』とか、そういうことが分かるんだ」
「これらはすべて、文字通りスピードをトレースするだけで読み取ることができる。そしてそれは、何か秘密を明かすようなモノではないんだ。誰もが、他のマシンのスピードを知っている。なぜなら、自分が速く走ればスピードが上がり、遅く走ればスピードが下がるのは分かっているからだ」
「秘密が漏れたりしているわけではないし、同時により広く状況を描き出すことができる」
リーフスタールは、FIAが公開しているGPSデータを全てのチームが使用しているため、何かを隠すことはできないと述べ、F1がまだこうしたデータを十分に利用していないことに驚いているという。
「彼らは少しずつそれを始めている」
「それは、チームが望んでいないことだ。例えば、マシンがどのように機能しているかを理解するために行なったモデリングを公開することは、文字通り秘密を明かすことになるからだ」
「しかしそれ以外にも、簡単に提供できる情報はある。例えばFIAがピレリと契約し『実際のタイヤの摩耗はどれくらいなのか? どのタイヤが最初に摩耗するのか? バランス的にはどうなのか?』といった情報を公開することだ」
「もし、ピレリがそのデータを公開したとしたら……彼らは全チームのデータを収集しており、匿名化することができるので『パドックでの平均値はこうだ』と言うことができる」
「トップ5だけを対象にしたとしても、レース上位で何が起きるかを示しているのだから、もっと多くのストーリーを作ることができるはずだ」
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