F1

それでもニューウェイならなんとかしてくれる? アストンマーティンF1、苦しい新時代の幕開けでも絶対的信頼感

アストンマーティンF1のアンバサダーであるペドロ・デ・ラ・ロサは、今季大苦戦に見舞われているものの、エイドリアン・ニューウェイがここから立て直せると揺るぎない信頼を寄せている。

Oleg Karpov

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公開日時: 2026/06/22 23:00

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Adrian Newey, Chief Technical Officer of Aston Martin F1

 2026年のF1序盤戦における「最大の期待外れ」という不名誉な称号に相応しいのは、アストンマーティン・ホンダ以外に存在しないだろう。なぜなら、昨春に天才F1マシンデザイナーと名高いエイドリアン・ニューウェイを迎え入れ、新たなファクトリーも稼働、ホンダのワークスPUも手に入れ、新レギュレーション時代への飛躍が期待されていたにもかかわらず、開幕7戦を終えた時点でコンストラクターズランキングでは11チーム中10番手に沈んでいるからだ。

 アストンマーティンがここまでに獲得したポイントは、運良く手にできた1点のみ。彼らの下には、完全に新規参戦のチームであり、苦戦が予想されていたキャデラックがいるだけだ。

 この不振は、ホンダのパワーユニットが想定されていたようなパフォーマンスを発揮できていないという側面も確かにある。しかし、それだけが原因であるわけではない。シャシー自体にも当然問題はあるだろうし、チームとしてずいぶんと久しぶりに自社開発したギヤボックスの問題も散見される。バルセロナ-カタルニアGP後にフェルナンド・アロンソは「僕たちはF1で最悪のマシンと最悪のエンジンを持っている」と語っていたことも、その証左と言えよう。

 それでも、チーム内部でのニューウェイへの信頼は揺らいでいないようだ。アンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、ウイリアムズ、マクラーレン、レッドブルで数々のタイトル獲得に貢献してきたニューウェイの能力は、今も変わっていないと確信していると語る。

Fernando Alonso, Aston Martin Racing, Sergio Perez, Cadillac Racing

Fernando Alonso, Aston Martin Racing, Sergio Perez, Cadillac Racing

Photo by: Dom Gibbons / Formula 1 via Getty Images

 ニューウェイに変化を感じるかと問われたデ・ラ・ロサは、次のように語った。

「残念ながら、もう彼のマシンを運転していないことくらいしか違いはないよ」

 デ・ラ・ロサは現役時代、マクラーレンに所属していた際にニューウェイが開発を指揮したマシンをドライブしている。

「エイドリアンに違いはまったく見られない。彼は全力で働いている。仕事に対する姿勢は本当に素晴らしい」

 デ・ラ・ロサが考えるニューウェイ最大の強みのひとつは、ドライバーのフィードバックを実際の解決策へと変換する能力だ。そして、その点において彼に匹敵するエンジニアはいないという。

「彼は自分が一緒に仕事をした中で、誰よりもドライバーの話に耳を傾けるエンジニアだ」

「今はデータが支配する時代だから、エンジニアと話していても、彼らはモニターばかり見ていて、データが正しいのかドライバーが正しいのか分からなくなっていることがある」

「でもエイドリアンは違う。彼はただノートにコメントを書き留めるんだ。例えば、2005年のオーストラリアGPで3台目のマシンを走らせたときのことだ。フリー走行で数周走ったあと、彼は僕にひとつだけ質問をした」

Fernando Alonso, Aston Martin, and Pedro de la Rosa

Fernando Alonso, Aston Martin, and Pedro de la Rosa

Photo by: Mark Sutton

「『なぜターン1にもっと速く入れないんだ?』とね。それで僕は『ターン1でステアリングを切ると、マシンがアンダーステアになってコース外へ膨らんでしまう。だからそれ以上速く入れないんだ』と答えた。するとエイドリアンはこう言った。『そのコーナーの頂点でどれくらいステアリングを切っている?』」

「僕は手で大体の角度を示したら、『OK、6度か』と言い、彼はさらにこう続けた。『風洞では6度以上の舵角を再現できない。だからその状態で発生するヨーやステアリング特性を十分に評価できていないんだ。でも、いくつかアイデアがある』と」

「とにかく、彼はメモを取ると一度離れて、そして次のレースにはいくつか変更を加えたフロントウイングを持ち込んできた。するとマシンのステアリング感度がかなり改善されていた。それがエイドリアンなんだ。彼はドライバーの話を聞いてくれる。そして、そんな彼を特別にしているのは、実際に結果を出してくれるところだ」

「とにかく、彼がチームにいるのを見るのは本当に素晴らしいことだ」

「彼は偉大なリーダーであり、僕たち全員にとって本当に刺激を与えてくれる存在だ。そしてアストンマーティンに加わった多くの若いエンジニアたちにとってもそうだ」

 アストンマーティンは今季、他チームのようにはアップデートを行なっていない。しかしファクトリーでは開発が急ピッチで進められており、7月中旬には改良版パッケージが投入される予定だ。アロンソはバルセロナで次のように強調した。

「僕たちはすべての部分に取り組んでいる」

「そして願わくば、シーズン後半にはファンのみんなに喜んでもらえる何かを見せられるようになりたい」

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