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分析

フェラーリが2008年に登場させた過激なアイデア。今は必須デバイスのSダクト

F1チームは何も学ばないわけではない。レギュレーションの変更により、優れたアイデアの使用が禁止されると、デザイナーたちは多くの時間を費やして、失われたアドバンテージを取り戻すための方法を模索する。

Ferrari F2008 (659) 2008 Barcelona S-duct airflow

写真:: Giorgio Piola

ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

Analysis provided by Giorgio Piola

 F1は技術開発による”競争”の場である。そのため、ライバルチームに差をつけようと、様々なアイデアが登場しては消えていった。

 現在多くのチームが採用しているSダクトも、そういったデバイスのひとつだ。このデバイスはフェラーリが2008年に登場させたもので、当初は非常にアグレッシブなモノとして当時注目を集めた。翌年から新レギュレーションが導入されたこともあり、一時このSダクトは使われなかったが、今では標準的に各マシンに使われている。

 2008年にフェラーリが走らせていたのはF2008。そしてスペインGPで、このSダクトが初めてマシンに搭載された。

 ただシーズン開幕前、発表会仕様のマシンを振り返ると、当時からこのSダクトの搭載を予定していたのは明らかだ。

Ferrari F2008 front suspension

Ferrari F2008 front suspension

Photo by: Giorgio Piola

 シャシーの上面には、マシンの登場以来切り欠きが存在しており、新しいデザインのノーズが登場するまで、楔形のパネルで覆われていた。

 このコンセプトの中心となる新しいノーズには、下面に開口部が設けられ、さらに背面に設けられた排出口はモノコックの切り欠きに位置が合わせられているだけでなく、その前方に小型の開口部が設けられている。

Ferrari F2008 (659) 2008 nose with S-duct detail
Ferrari F2008 (659) 2008 S-duct detail

 Sダクトの基本的な目的は、ノーズ下からバージボード、フロア前端やサイドポンツーンに向けて流れる気流を整えることにある。

 気流が乱れるポイントに、ノーズ下の吸気口を付け加えることで、この問題をマネジメントし、気流の感度の低いところに流すようにしているのだ。

 ただ、何もSダクトに限ったことではないが、設計の複雑さや重量の増加などを考えれば、そのデメリットを上回るだけのメリットがなければならない。特にこのSダクトの場合は、モノコックに切り欠きを設ける分、クラッシュテストを通過するのが難しくなるのだ。

帰ってきたSダクト

 2009年はレギュレーションに大きな変更が加えられ、マシンが発生するダウンフォース量、そしてそれを生み出すための方法に、大きな影響を及ぼした。

 このレギュレーション変更により、フェラーリスタイルのSダクトが採用できなくなった。ノーズの穴が空いていてはならないという、新たな規定が存在していたのだ。

 2012年、メルセデスがDRSを作動させた際にフロントウイングも同時にストールさせるシステム、いわゆる”ダブルDRS”を登場させた際、レギュレーションがさらに改訂。フロントホイール中心線から150mm以上前方にある開口部は、ドライバーの冷却用にのみ使えることになった。

 ただこのレギュレーションは、Sダクト同様の効果を生み出すのに十分な余地があり、ザウバーがそのコンセプトを最初に導入した。厳しい規制をかい潜ってのソリューションではあったものの、十分に価値のある効果を発揮した。

 それ以降、このアイデアはさらに洗練され、全てのチームが少しずつ異なるアプローチながらも同様のデバイスをマシンに登場させてきた。

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