ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
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ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

F1公式インスタの投稿で、フェルスタッペン車のダメージが明らかに……サイドポッド内クーラーも損傷していた

レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、ハンガリーGPの決勝レーススタート直後の多重事故でダメージを負ったマックス・フェルスタッペンのマシンは、かなりのダウンフォースを失っていたと語った。

F1公式インスタの投稿で、フェルスタッペン車のダメージが明らかに……サイドポッド内クーラーも損傷していた

 F1ハンガリーGPの決勝レースでは、スタート直後のターン1で、多重クラッシュが起きた。これは、メルセデスのバルテリ・ボッタスがブレーキングを誤ったことに起因するモノで、一気に5台がリタイア。走行を継続できたとしても、マシンに大きなダメージを負ったままのドライバーもいた。

 そのうちの1台がレッドブルのマックス・フェルスタッペンだ。フェルスタッペンのマシンは、右側が大きく損傷。バージボードを失ったのみならず、フロアも大きく損なわれていた。

 チームは赤旗中断の間にマシンを修復する時間はあったものの、フロアを丸々交換するわけにはいかず、できることは限られていた。結局、再スタートを切ることはできたものの、マシンは完璧な状況とはほど遠く、ダウンフォースも大きく失われ、ペースにも多大な影響が及んだ。

「ダメージが大きすぎた」

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、そう語った。

 国際映像に映されたフェルスタッペンのマシンは、それほど大きく損傷しているようには見えなかった。しかしレース後、F1のインスタグラムに投稿された写真を見ると、マシンの右側のコンポーネントがごっそり外れていたことが如実に分かった。赤旗中断がなければ、フェルスタッペンがレースを続行できなかったのは、間違いない……そう想像するのに十分な損傷度合いであった。

 

 ホーナー代表曰く、最も深刻だったのはサイドポッドに内包されたクーラーの損傷であり、これを修復できなければ、リタイアせざるを得なかったと指摘した。

「温度が、基準を大きく外れていた。そして彼らはパイプをまっすぐに直し、そして、非常に限られた時間の中で、マシンの右側をできる限り修復する必要があったんだ」

 そうホーナー代表は説明した。

 冷却装置がたとえ一時的にでも正確に作動していなかったということになれば、当然エンジンの状態にも懸念が生じる。うまく冷やすことができていなかったのであれば、エンジンにダメージが及んでいる可能性も否定できないはずだ。これについては、夏休みの期間中に、ホンダがチェックすることをを強いられるだろう。

 フェルスタッペンはハンガリーGPの金曜日と土曜日に、イギリスGPで大クラッシュに遭遇したパワーユニット(PU)を使った。このPUは予選前の段階では問題はなかったものの、予選後に亀裂が生じていることが明らかになった。そのため、日曜日の決勝レースに向けては、新品のPUを投入することになった。もし今回のクラッシュによって、この新しいPUにも何らかのダメージが及んでしまうということになれば、あまりにも痛手……ということになるだろう。

チームは中断時に必死の修復も、不安定なマシンでコースに送り出す

 レース中断の間レッドブルは冷却系と配管の修理に専念したため、車体の修復に関しては妥協するしかなく、アクシデントによって破損したサイドポッドのボディワークを交換するのみにとどまった。またフロアなどはテープで端を固定するなどして対処し、バージボードやサイドポッドのディフレクターは、これ以上破損することがないように一部が取り外された。

Red Bull Racing RB16B missing barge board

Red Bull Racing RB16B missing barge board

Photo by: Giorgio Piola

 上のイラストの赤で塗られた箇所は、フェルスタッペンのマシンがピットに戻ってきた段階で完全に失われていた部分であり、黄色の部分も再スタートに向けて外さねばならなかった。そして垂直にそびえ立つサイドポッドのディフレクターも、端の部分をテープで補強する必要があった。

 これらのエリアが非常に繊細であり、マシンパフォーマンスにおいて大きな役割を果たしているのは周知の通り。各チームはフロア、サイドポッドのディフレクター、そして小さなバージボードの集合体を都度アップデートしている。

 したがって、これほど多くのパーツを欠いてしまうと、必要なダウンフォースを得られないだけでなく、マシンが信じられないほど不安定になってしまう。フェルスタッペンは次のように語る。

「メカニックたちはレースに復帰できるように最善を尽くしてくれた。でもマシンには大きなダメージが残っていて、走らせるのが本当に難しかった」

「ダウンフォースを失ったことによって、オーバーステアもアンダーステアも、酷く出るようになってしまったんだ」

 フェルスタッペンは10番手フィニッシュに終わってしまったことに落胆しているかもしれないが(アストンマーチンのセバスチャン・ベッテルの失格が確定すれば9位に繰り上がり)、ポイントを獲ることができたのは幸運だったかもしれない。最終的にこの1ポイントがチャンピオン争いを左右する可能性も十二分にあるのだ。

 

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