F1
角田裕毅、”父親的存在”アルファタウリF1代表トストとの信頼関係を語る。代表後任はベッテルも候補に?
アルファタウリの角田裕毅は、チーム代表を務めるフランツ・トストについて「常にドライバーの味方をしてくれる」と厚い信頼を寄せている。
公開日時: 2023/04/23 1:48
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今年でF1参戦3年目を迎えた角田裕毅は、フランツ・トスト代表率いるスクーデリア・アルファタウリの一員としてこれまで過ごしてきた。そのトストについて角田は、F1公式のポッドキャスト”Beyond The Grid”に登場した際に「常にドライバーの味方をしてくれる」父親的存在であると語っている。
元レーシングドライバーのトストは、チームマネージャー業に転向後、ラルフ・シューマッハーのフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)参戦とF1昇格をマネジメントするうちに、F1の道へ。2005年11月には、レッドブルがミナルディを買収することで誕生したスクーデリア・トロロッソ(アルファタウリの前身)のチーム代表に抜擢された。
トストはそこで、レッドブル・レーシングへの昇格を目指す若手F1ドライバーの育成を担い、セバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンなどを輩出。角田も手塩にかけて育てている。
「彼は常に100%ドライバーの味方をしてくれますし、率直なんです」
角田はトストについてそう語る。
「遠回しに言うことなく、彼の言いたいことをストレートに話してくれます。僕にとっては、実際それがありがたいですね」
「チームに対しても同じで、彼が(第2戦サウジアラビアGPで)言った『エンジニアをもう信頼しない』という言葉は、意図した通りに伝わっていないのかもしれません。彼は本当に直球で話してきますからね」
「でも彼は確実に、エンジニアを信頼していると思いますよ。彼がこれほどまでに(状況が)悪いと予想していなかったというのは事実で、今年のマシンはもっと良いと考えていたんだと思います。確かに彼にとって、通常よりも少しフラストレーションの溜まる状況だと思います」
「でも、彼がチームを信頼しているということはもちろん分かりますよ。デブリーフィングで彼はいつも、チームを元気づけるために良いコメントを残してくれます。それがフランツの良いところです」
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Yuki Tsunoda, AlphaTauri
Photo by: Red Bull Content Pool
ただ、コース上でチームメイトと同士討ちした際には、普段の柔和な面持ちも変わってくるという。
角田は昨年のイギリスGP決勝で当時のチームメイトであるピエール・ガスリー(現アルピーヌ)に追突。同士討ちによってダブル入賞の機会をみすみす逃してしまった。
トストはその際、どのように怒ったのかと尋ねられた角田は「もちろん、彼は殴ったりしませんよ(笑)」と答えて、次のように続けた。
「確実に、彼の声はいつもより荒かったです。エンジニアルームにいる僕に彼が最初に言ったのは『ユウキ、私のオフィスに来なさい』でした」
「もちろん、彼には僕に言うことがあって『なんであんなバカなことをしたんだ』と訊かれました。それについては僕も(自分に否があることに)同意見で、実際に失望していました」
「ただ運の悪いことに、(イギリスから)イタリアへ帰る時、同じ便で隣同士の席だったんです(笑)」
「未だに覚えています。しかもシルバーストンから空港まで同じクルマで、入り口にたどり着くまで大渋滞にハマってしまって、本当にいつも以上に長旅でした」
「知っての通り、僕は渋滞にイラついてしまいますが、チームにとって悪いことをしてしまいましたし、僕らは同じクルマの中にいたので、イタリアに帰るまでの数時間は我慢している必要がありました」
「本当に忘れたいことではありますが、今後自分自身を改善するために覚えておく必要のあることです」
また、トストとの関係について父親的存在か、との問いに対して「おじいちゃんですかね?(笑)」とおどけた角田だったが、良い時も悪い時も常に言葉をかけてくれるトストの存在に感謝していると語る。
「どちらかと言うとおじいちゃん的存在ですが、彼の言葉はいつもお父さんみたいですね。良いレースができたら彼は『なんて素晴らしい仕事ぶりだ』『本当に満足だ』などといつも言ってくれます」
「どんな状況でも、彼はフィードバックをくれます。それは良いことなんです。悪いレースでも『悪かった』と言ってもらえれば、次で改善できますしアイデアも得ることができます。良いレースだったら、彼は常に祝ってくれますし、サポートの言葉もくれます。それは嬉しいですし、お父さんみたいに感じる理由はそこかもしれません」
Franz Tost, Team Principal, Scuderia AlphaTauri
Photo by: Red Bull Content Pool
そして現在67歳のトストは以前、70歳になったら代表職を退くと明言していた。その発言を知らなかった角田は、トストのF1生活が終わりに近づいていることに驚きを示しつつ「寂しく思います」として、次のように続けた。
「彼は強いリーダーシップを持っています。F1チーム代表はそれぞれに違いますが、フランツは他の代表陣と比べてかなり違います。彼はパドックで唯一無二の人物ですし、僕らは確実に寂しく思うでしょうね」
「特に、彼からはいつも100%のサポートを感じています。だから彼がいなくなったら、以前よりも心地よさやワクワクはあまり感じられなくなってしまうかもしれません」
その後任には、レッドブルとの関係から昨年現役を退いたセバスチャン・ベッテルも候補に挙がってくるだろう。レッドブル・ジュニア出身のベッテルはアルファタウリの前身トロロッソに2008年イタリアGPで初勝利を届け、レッドブルでは2010年から2013年に4年連続でドライバーズタイトルを獲得している。
角田は仮にベッテルがチーム代表に就任した場合について興味を示しつつも、むしろレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコの後任に相応しいのではないかと考えている。
元F1ドライバーでル・マン24時間レース優勝経験を持つマルコはこれまで、ベッテルを含めレッドブル・ジュニアを束ねてきたが、今年の4月27日で80歳を迎える。
「セバスチャンがどうチーム代表職をやるのか、僕としては興味がありますが、彼なら何にでもなれると思います」
「ヘルムートはレッドブル・ジュニアを率いていますが、例えば彼が別の仕事などに移ったら、セバスチャンはレッドブル・ジュニアのドライバーの面倒を見る、良いお父さん役になると思います。彼は最も成功したF1ドライバーのひとりですからね」
「僕的にはチーム代表は少し違うと思っていて、セバスチャンがヘルムートの後任になったり、彼をサポートしたりするほうが可能性は高いと思っています」
「セバスチャンは的を得たことを言う人で、予選前にいつもやっていたレースブリーフィングでもそれは知っています。サーキットや縁石などで僕らがどこを改善していくべきか、要点ごとに話してくれたんです」
「彼は真っ先に手を挙げる(質問をする)人で、セバスチャンはそういう人なんです」
4月18日に公開された角田の最新エピソードでは、その他にも憧れ的存在であるフェルナンド・アロンソとヘルメット交換をした話などを聞くことができるので、要チェックだ。
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