フェルスタッペン陣営、メルセデスのオファー断った2014年の”決断”に後悔なし
マックス・フェルスタッペンのマネジメントチームは、2014年にメルセデス入りを選ばなかったことに後悔はないという。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
2015年に、若干17歳にしてトロロッソからF1デビューを果たしたマックス・フェルスタッペンは、いまやレッドブルでエースとしての座を確立した。2020年シーズンも、王者メルセデスに唯一対抗できる存在としてシーズン2勝を記録している。しかし彼がF1にデビューする前の2014年、実はメルセデスも彼の獲得に興味を示していた。
オランダのチャンネル『Ziggo Sport』は、フェルスタッペンがF1でどんな道を歩んできたのか、その決断に迫るドキュメンタリー『Whatever it takes』を放送している。
この番組の中で、フェルスタッペンのマネジメントチームが2014年ドイツGPでレッドブルとメルセデスの両代表と2015年のF1シートについてミーティングをした様子が紹介されている。
ホッケンハイムのモーターホームで、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコと話し合いをした直後、フェルスタッペンのマネジメントチームはメルセデスのトト・ウルフ代表とニキ・ラウダに声をかけられ、ミーティングに招かれたのだ。
2014年時点でのフェルスタッペンは、カートを卒業してF3ヨーロッパ選手権で本格的な4輪レースデビューを飾ったばかり。すでに非凡な速さを見せていたとはいえ、レッドブルはトロロッソからの2015年F1デビューを確約、異例の抜擢を決めた。
一方メルセデスはルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグと契約がありシートに空きはなかった。メルセデスにオファーできたのは、リザーブドライバーかGP2参戦費用の負担であり、F1へのステップアップとしてはレッドブルより魅力的なモノではなかった。
結果、フェルスタッペンはレッドブルの育成ドライバーとなりトロロッソからF1デビュー。2016年の途中からはレッドブルへと昇格し、これまでに計10勝を挙げている。
だが2014年以降、メルセデスは圧倒的な強さを誇り、ダブルタイトルを7連覇している。メルセデス入りを選んでいれば、フェルスタッペンがすでに世界チャンピオンに輝いていた可能性もあるだろう。
しかしフェルスタッペンの父親であるヨス・フェルスタッペンと、マネージャーのレイモンド・フェルミューレンは自分たちが正しい決断をしたと確信している。
2014年の重要な決断に後悔はないのかと問われたフェルミューレンは、motorsport.comに次のように語った。
「いや、その時は正しい選択をしたと思う」
「我々3人(フェルスタッペン本人、ヨス、フェルミューレン)は今でもその決断を全面的に支持している。マックスはレッドブルで素晴らしい指導を受けたし、F1デビューのために素晴らしい準備ができた」
「我々はレッドブルを本当に居心地が良いと感じている。将来どんなことが起きるのかは、そのときになってみないと分からない。だが今のところは、自分たちがした選択にとても満足している」
ヨス・フェルスタッペンは、「その時、我々が持っていた情報で、我々は間違いなく正しい選択をした」と付け加えた。
フェルスタッペンは現在、レッドブルと2022年まで契約をしている。しかし、ホンダが2021年を最後にパワーユニット(PU)の供給を止めるため、フェルスタッペンが近い将来に世界タイトルを狙えるかどうか新たな疑念が生まれているが、フェルミューレンは現状に満足しているようだ。
「その期間に再び、我々は適切な決断をした」
「それが正しい決断だったかどうかは将来にわかるだろうが、少なくとも3人ともそれを全面的に支持している」
今後のPU事情について、レッドブルがどう話しているのかと訊くと、フェルミューレンは次のように答えた。
「もちろんレッドブルの経営陣は、状況がどのようになっているのか、どうしたいのか、そして目標は何なのかについて、我々に十分な情報を提供してくれている。そのプロセスは現在進行形で行なわれている」
「まず、我々にはホンダとの素晴らしいシーズンが待っている。2021年のエンジンについては非常に前向きに考えている。しかし、2022年以降に何が起こるのかにも非常に興味がある」
「彼らはそのことについて非常にオープンで、マックスに透明性のある対応をしている。我々は辛抱強く待っているし、それが成功するという確信を持っているよ」
ヨス・フェルスタッペンは、レッドブルがメルセデスを打ち負かすことのできるマシンをまだ提供していないことについて、あまり落ち込むことはないと語った。
彼は現状にフラストレーションを溜めているか訊かれ「いや、そんなことはないよ。私に関しては、マックスよりも少しだけイライラすることがあると思う。同じくらいかもしれない」と話した。
「でも、マックスはもちろんそれを最大限に活用しなければならない。我々はレッドブルの一員だし、自分たちがすべきことはわかっている。イライラすることもあるだろうが、それは何の役にも立たない」
「我々は皆、マックスに世界タイトルを目指して戦ってもらいたいと思っているが、その目標に向かって一緒に仕事をするのもいいことだ。そこにも美しさがある。だから、来年のレッドブルでそれを成功させることができることを期待しよう」
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