F1 日本GP

レッドブルのマックス・フェルスタッペン、F1日本GPで勝利し今季のタイトル獲得を決めるも、ポイント制度にまつわる混乱は「かなり面白かった」

2022年のF1ワールドチャンピオンに輝いたレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、日本GPの決勝レース後にポイント制度にまつわる混乱があったことは「かなり面白かった」と語った。

Max Verstappen, Red Bull Racing

 F1日本GPで優勝したレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、フェラーリのシャルル・ルクレールが5秒のタイム加算ペナルティを受けて3位に降格したことで、2022年のワールドチャンピオン獲得を決めた。しかしパルクフェルメのインタビューで知らされるまで、自身も、そしてチームもチャンピオン獲得に気付かないという、奇妙な形の決着だった。しかも一旦知らされた後も、フェルスタッペンは自身のチャンピオン決定に疑心暗鬼だったようだ。

Read Also:

 フェルスタッペンはウエットコンディションとなった日本GPの決勝レースで、圧倒的な強さを披露。53周の予定だったレースが28周に短縮されたものの、後続に27秒もの差をつける独走優勝を果たした。

 その後方ではルクレールが2番手、セルジオ・ペレス(レッドブル)が3番手でチェッカーを受けたものの、ルクレールにはシケインをオーバーランしてアドバンテージを手にしたとして5秒のタイム加算ペナルティが科されたため、ペレスが2位、ルクレールが3位となった。

 レースが予定の距離を走破すれば、フェルスタッペンが優勝、ルクレールが3位になったことで、今回のレースでフェルスタッペンのチャンピオンが決まるはずだった。しかし昨年のベルギーGPがセーフティカー先導の2周のみで終わった件を受けて改訂されたレギュレーションでは、レースの75%未満しか走行できなかった場合には勝者に19ポイント、3位に12ポイント与えられると記載されていたため、フェルスタッペンのチャンピオンは決まらなかったと多くの人が考えた。多くのチームやドライバーたちも、そう考えていたという。

 しかしレギュレーションには、「中断され、再スタートができなかった場合」のみ、フルポイントから減算されたポイントが付与されると記載されており、今回のケースには当てはまらず。それ以外の条件についてはレギュレーションに記載がないため、全ドライバーにフルポイントが与えられることになった。

 これでフェルスタッペンのタイトル獲得が決まったわけだ。

「レース中、彼らがポイントをどう決めるかということについて、手がかりはまったくなかった」

 フェルスタッペンは日本GPのレース後にそう語った。

「レースに勝つことが、最大の目標だった。フィニッシュラインを越えた時には、良いレースだった、また良いポイントを獲れたと思った。でもまだワールドチャンピオンになれたわけじゃないという感じだったんだ」

「レース後にインタビューを受けている時、突然メカニックたちが歓声を上げはじめた。どうなっているんだと思ったよ。チェコ(ペレスの愛称)が2位になったことは分かったけど、フルポイントなのかハーフポイントなのか、あるいは75%なのか、どうなるのかまだ分からなかった」

「その後、レギュレーションに目を通したんだ。そしてFIAのメディア担当が僕のところに来て、僕がワールドチャンピオンだと言った。それで喜んだんだけど、その後で他の人にはやっぱりダメだと言われた。1ポイント足りないとね。ちょっと変な感じだった」

「でも結局のところ、十分なポイントを獲ることができたから、またワールドチャンピオンになれたんだ」

 フェルスタッペンは、混乱が生じたことは気にしていないようだ。

「正直に言って、ちょっと混乱したことについては気にしていない」

 そうフェルスタッペンは語った。

「実際、とっても面白いことだったと思う。だって結局のところ、結果は変わらないんだからね」

「本来ならフィニッシュラインを越えた段階では、フルポイントだったとしても1点足りなかったんだからね」

 この件については、レギュレーションの不備だったと指摘されており、各チーム代表たちは修正を検討すべきだと主張している。

 フェルスタッペンは、レースの中断と再開には「本当に複雑な状況」があると考えており、レギュレーションの内容にはバランスが必要だと感じていると語った。

「レースを走り切ることができること、序盤で赤旗が出てレースを続けられないこと、これには違いがある」

 そうフェルスタッペンは言う。

「このふたつにはもちろん違いがあるよ。しっかりとレギュレーションを書かないのは、良いことではないと思う。でも、ルールに細かいことを書きすぎると、それはそれで良くない」

「その中間を見つけるのは常に難しいんだ」

 なおこのレギュレーションについては、F1も混乱したであろう形跡が窺える。

 F1の公式ツイッターでは、日本時間の17時14分に、ルクレールに5秒加算ペナルティが科されたことを速報した。本来ならばフェルスタッペンのチャンピオン決定はこの時点で決まったはずだが、公式ツイッターがフェルスタッペンのチャンピオン獲得を発信したのは、それから15分後の17時29分だった。

 
Read Also:

Be part of Motorsport community

Join the conversation
前の記事 【動画】僕チャンピオンじゃないよ……え? チャンピオンなの?? 混乱するフェルスタッペン
次の記事 FIA、F1日本GPの”トラクター事件”徹底調査を約束「SC下でクルマを回収するのは通常のやり方だが……」

Top Comments

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

エディション

日本 日本