”乱流抑制”目指した今のF1レギュレーションは失敗じゃない! ウイリアムズ代表「今でも、2021年よりマシ」

ウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表は、乱気流によって他のマシンに追従しづらくなってきているにも関わらず、今のF1レギュレーションは失敗ではないと語った。

Max Verstappen, Red Bull Racing RB20, Charles Leclerc, Ferrari SF-24, Sergio Perez, Red Bull Racing RB20, Fernando Alonso, Aston Martin AMR24, Oscar Piastri, McLaren MCL38, the rest of the field at the start

 2022年に導入されたF1の現行レギュレーションは、乱気流の影響を抑えて前を走るマシンを追従しやすくし、ひいてはオーバーテイクしやすくなるよう意図して設計されたものだった。

 しかし導入3年目を迎えてマシンの開発が進むにつれ、乱気流の悪影響が大きくなり、追従が再び難しくなってきているとドライバーたちは報告している。

 メルセデスのテクニカルディレクターであるジェームス・アリソンは、乱流抑制に固執しすぎた現行レギュレーションに疑問を呈し、「ドン・キホーテの風車への挑戦のようなもの」だと語った。

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 現在議論が進められている2026年のレギュレーションについても、引き続きオーバーテイクの促進が目指されるのは間違いないはず。motorsport.comがウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表に、現行レギュレーションの最終シーズンとなる2025年に向けて変更が必要かどうか尋ねると、彼は「レギュレーションが失敗したとは思わない」と答えた。

「そう判断するのは本当に不公平だと思う。中団争いはかなり接戦だし、オーバーテイクも行なわれている」

James Vowles, Team Principal, Williams Racing

James Vowles, Team Principal, Williams Racing

Photo by: Motorsport Images

「今見られるデータ上でも、2021年、20年のクルマよりはマシだと思う。でも特にトップ集団は、ダウンフォースが増えるにつれてついていくのが難しくなるような、とんでもない方法でマシンを開発してきたんだ」

「しかし、すべての指標やデータを見る限り、以前よりも接近していると思う。それは、そうする意図があったレギュレーションの結果なんだ」

「2025年に改善されるとは思わない。そうなると考える理由はない。2026年については、まだルールが批准されていない段階だから、評価するのは難しいよ」

 アストンマーティンのチーム代表であるマイク・クラックは、現在の空力レギュレーションに関するボウルズの見解を支持した。

「ジェームスに同意する。レギュレーションは失敗ではないと思う」

「このレギュレーションは最初、様々なデザインが可能だったと思う。それから誰も望んでいないような支配があった。それが事実だ」

「しかし全体的に見て、あと1年あれば新しいものを迎えることができると思う。ジェームスが言ったように、まだ100%固まったわけではないんだ。我々はそれが楽しみだ」

「でも正直なところ、今のレギュレーションはよくできていると思う。ひとつのチームの後ろで、素晴らしいレースができている」

 またクラック代表は、2025年の1月1日まで2026年に向けた空力開発に着手することはできないとしても、できるだけ早く2026年からの新レギュレーションを目にすることがチームにとって重要になると強調した。

「目標は6月末までにレギュレーションの第1弾を策定することだと思う」

「そしてそこから動き出すことになる。おそらくそのレギュレーションは完全なものにはならないだろう。でも、早めにレギュレーションを決めることは重要だと思う。誰にとっても大きな変化になるからね」

「重量の目標はどうなのか、クルマの構造はどうなるのか? タイヤのサイズは? 多くのことがまだ議論されている。あまり遅くなるべきではない」

 

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