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ここからが巻き返しの時。復活目指すアルピーヌF1、新技術トップ「既に必要なモノは揃っていた」目標はシーズン中の大躍進

期待外れのシーズン序盤を過ごしたアルピーヌF1。立て直しを図るためチームが技術トップに起用したデビッド・サンチェスは、加入当初から「競争力のあるマシンを作るために必要なモノ」が既に揃っていたという。

Jake Boxall-Legge

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公開日時: 2024/07/13 8:08

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Esteban Ocon, Alpine A524

Esteban Ocon, Alpine A524

写真:: Glenn Dunbar / Motorsport Images

 アルピーヌF1のエグゼクティブ・テクニカルディレクターに就任したデビッド・サンチェスは、加入から最初の数ヵ月でチームに感銘を受けたという。

 2024年シーズンは期待外れのスタートとなったものの、アルピーヌは今年序盤にサンチェスを獲得しエグゼクティブ・テクニカルディレクターに任命するなど、エンジニアリング体制の強化を続けている。

 元フェラーリのサンチェスは、1月にマクラーレンへ加入してわずか3ヵ月で陣営を離れ、ブルーノ・ファミン代表が打ち出した3本柱の技術体制を率いるためにアルピーヌで抜擢された。

 アルピーヌは、テクニカルディレクターのマット・ハーマンと空力主任のディルク・デ・ビアールのふたりがシーズン開幕を前に辞任。今季マシンA524は最低重量をクリアできてなかったこともあり戦闘力に欠け、開幕戦でドライバーのピエール・ガスリーとエステバン・オコンのふたりはポイントにはまったく届かないところでフィニッシュした。

 その後アルピーヌは3名のテクニカルディレクターを立てる体制に再編成。ジョー・バーネル、デビッド・ウィーター、シアロン・ピルビームが起用された。

 この3名を束ねる形でサンチェスがエグゼクティブ・テクニカルディレクターとして加わり、サンチェスがファミン代表とコミュニケーションを取ることとなった。

 組織再編成の数週間後に新しい技術トップを迎えることは、さらなる変化の到来を示唆するかもしれないが、サンチェスはアルピーヌ加入時のチーム状況には概ね満足しているという。

「彼らはとても良い。競争力のあるマシンを作るために必要なモノは全て揃っている。だから、加入した時はとても嬉しかった」

 シルバーストンで行なわれたマシンプレゼンテーションに登場したサンチェスはそう語った。

「外部から来たので、私は自分の意見も持っていた……そういう傾向にあったのは確かだ。でも計画は整っていた。我々はそれを見直し、いくつか調整した。確かに、マシンのアップデートには大きな後押しが必要だ。我々はそれに取り組んでいるし、今のところかなり上手くいっている」

「この体制はどんどん馴染んできている。大きなチームがあるなら、多くの構造が必要だし、現時点では確かに上手く機能しているようだ。昨年、(同じく3名のテクニカルディレクターを構える)マクラーレンはシーズン中に大きなステップを踏むことができた」

David Sanchez, Alpine Executive Technical Director

David Sanchez, Alpine Executive Technical Director

Photo by: Alpine

 さらにサンチェスは、チームがA524をより理解し始めていると語り、マシン軽量化に向けた協調的な取り組み姿勢を指摘。A524は当初、最低重量から10kg近く重いと言われていたが、シーズン序盤戦では競争力向上ために軽量化が行なわれた。

 そうした努力も実り、アルピーヌはマイアミGPで今季初ポイントを獲得。モナコ、オーストリアでも続けてポイントを重ね、うち2回はダブル入賞となった。チームはまだレースで9位以上に入ることができていないものの、ここ最近のレースでは概ね改善傾向にある。

 サンチェス曰く、今のA524に必要なのは単純なアップデートだという。ここまでは軽量化に重きを置いていたため、空力などのパフォーマンス重視のアップデートは当分の間見送られてきた。

「我々はマシンのことをより理解できるようになってきたし、レースごとにマシンの力をもっと引き出そうとしている。ここ数レースは良い傾向だ。アップデートを開発するために多くの学びがあったし、サマーブレイクあたりには新しいパーツを持ち込めるはずだ」とサンチェスは説明した。

「マシン重量を大幅に減らすことができた。シャシー面でも、セットアップ面でも、ドライバーたちがバランスを快適に感じ、マシンから少しでも多くを引き出そうとしている」

「(アップデートの)いくつかは開発ラインにあった。今はより多くのモノが投入を控えている。多くのアイデアがある。我々は現在、できる限り速くペダルを漕ごうとしている。ちょっと開発不足だと思う。もっと色々なモノが必要だ。特にダウンフォースだね」

「ダウンフォースを稼ぐ上で簡単な方法は、車高を下げて走ることだ。そこにはプランクもあるし、摩耗に注意しなければならないレギュレーションもある。しかし開発面では、今のところ方向性がハッキリしていると思う」

Pierre Gasly, Alpine A524

Pierre Gasly, Alpine A524

Photo by: Erik Junius

 アルピーヌは開発面での追い上げに焦点を当てつつ、さらなる人員を獲得した。

 そのうちのふたりは、レッドブルからの加入。マイケル・ブロードハーストが空力主任に、ヴィン・ダナーニが車両パフォーマンス主任に就任した。一方ヤコポ・ファントーニはフェラーリを離れてアルピーヌの副チーフエンジニアに就き、トップチームのノウハウを持ち込んだ。

 サンチェスは2024年シーズンの開発を優先し、昨年アップデートで大躍進を果たしたマクラーレンと同様のポジションまで「サマーブレイク明けに到達できる」ことを望んでいる。

 しかしサンチェスは既に現行レギュレーション最終年となる2025年に向けて、追求すべき分野を特定しているという。

「現時点で、我々は弱点を中心に開発を進めていると思う。今年はシーズン中に空力について多くを学び、来年のマシンでハードウェアを見直す際に、マシンのいくつかの側面を根本的に変えることに集中している。それが新たな一歩になるはずだ」とサンチェスは説明した。

「来年はコンセプト変更がある。主にサスペンションについての話だ。今年は空力に少し重点を移している」

「マシンを見たら似ているだろうから、大きなコンセプト変更になるとは言えない。しかし空力特性を見てみると、異なるモノもあれば、より強力なパフォーマンスを発揮するモノもある」

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