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アストンマーチンは己の道を行く。「ライバルの真似ごとはしない」と独自路線でF1の頂点目指すその理由とは?

アストンマーチンは、F1の頂点を目指す計画の中でメルセデスやレッドブル、フェラーリといったビッグチームの成功アプローチを模倣することはないと考えている。

Lance Stroll, Aston Martin AMR22

 アストンマーチンF1チームは、2億ポンド(約320億円)を投じた新ファクトリーの第一段階が5月にオープンを迎える。チームの成長を後押しする大きな弾みになると同時に、フェルナンド・アロンソの新加入も2023年にかけての大きなストーリーになる。

 チームは発足時、5年でトップチームと優勝を争うための”5ヵ年計画”を発表していた。その3年目となる2023年は重要な一年になる。

 世界タイトルを争うべく、メルセデスAMG F1チームやレッドブル・レーシングのようなレベルにチームを引き上げようと、様々なチームから人材を集めてきたアストンマーチン。しかし、F1で成功を収めるための方法を真似ようとは考えていないようだ。それは独創性こそが、より歴史を持つ相手に対し優位に立つ唯一の方法だとチームは理解しているからだ。

 レッドブルで15年間を過ごし、4月からはアストンマーチンのテクニカルディレクターを務めるダン・ファロウズもそう考えるひとり。彼は「我々にとって重要なのは、ライバルと同じことをしないことだ」として、次のように続ける。

「レッドブルやメルセデス、フェラーリを追い越すためには、そのようなやり方は通用しないと考えている。だから、我々は自分たちのやり方を発展させなければならないんだ」

 ファロウズは、このプロセスには「時間がかかる」としながらも、新ファクトリーでの進歩が「この勢いを示している」と感じていると語った。チームオーナーであるローレンス・ストロールは、この新ファクトリーが単なるF1チームの拠点ではなく、アストンマーチンそのものであるように感じられるようにしたいと明言している。

 ファロウズは、新ファクトリーは施設そのものだけでなく、チームで働く全てのスタッフにさらなるモチベーションとエネルギーを与えるとして、「グリッドを登り、勝利へ向けたプロセスを加速させる」と語り、次のように続けた。

「それが、我々を引き上げる真の助けになる。この情熱やモチベーション、そしていつかは頂点に到達するのだという信念が後押しになるのだ」

Aston Martin Silverstone factory tour

Aston Martin Silverstone factory tour

Photo by: Dom Romney / Motorsport Images

 アストンマーチン流を貫くということは、他者との協力や、タイミングによっては他方向からインスピレーションを得ることに消極的であるということではない。実際、レーシングポイント時代に”ピンク・メルセデス”騒動で物議を醸したメルセデスからのリストアップパーツの使用は、少なくとも今のところ継続される。

「将来、我々が自分たちのやり方で物事を進め、自分たちのプロジェクトに取り組む時、彼らが行なうのと同じか、それ以上のことを我々が行なえるにしなければならないと強く意識している」

 ファロウズはそう語る。

「そのような決断をする前に、我々が構築しなければならない能力だ」

 チームにとっては、アロンソを除けばファロウズが最も注目を集めた大型契約と言える。他チームからの才能の流入によって、他のチームで成功したアイデアやプロセスの交換もスムーズに行なわれていくだろう。そうした交流のシナジーが生み出す環境は、長期的にアストンマーチンへ利益をもたらし、独自の方向性を見出すのにも役立つはずだ。

「我々は、自分たちが成長する方向性に関して非常にオープンな考えを持っている」とファロウズは語る。

「私はレッドブル出身だし、メルセデスや他チームから来た人もいる。フェルナンドも非常に多様な経験を持っている」

「我々は、自分たちのやり方を厳格に守ろうとするほど傲慢ではない。だからもし彼が何らかの経験をもたらせてくれるなら、間違いなくそれを受け入れるよ」

Fernando Alonso, Aston Martin AMR22

Fernando Alonso, Aston Martin AMR22

Photo by: Carl Bingham / Motorsport Images

 アロンソの2023年からの新加入も、ベテランとしてチームに新たな風を吹き込むかもしれない。その経験がもたらすパフォーマンスに加え、レッドブルのタイトル獲得に貢献してきた経験を持つファロウズがもたらすモノも特筆すべき点だ。

 ファロウズはレッドブルが優れている理由として、一切手を抜かないアプローチによって「実質的な弱点がないこと」を挙げている。それはファロウズにとっての誇りであり、新天地のテクニカルチームにとっても大きな価値がある。

「重要なのは、自分がやっていることのあらゆる側面に穴がないことを確認する必要があるということだ」

 そうファロウズは言う。

「パフォーマンスを低下させるようなことをやってはいけないということだ」

 
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