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新時代F1、バッテリー状況の違いで”大きな速度差”発生も懸念ナシ? ドライバーたちが問題視していない理由

いかにバッテリーを回生するかはF1の2026年シーズンにおいて重要な役割を果たす見込みだが、懸念されていた速度差は問題にならないと考えられているようだ。

Oscar Piastri, McLaren

Oscar Piastri, McLaren

写真:: McLaren

「ゴーカート時代から学んだことは全て忘れなければならない」

 ハースのエステバン・オコンは2026年F1シーズンのレギュレーション全面見直しについて総括した。

 そう考えているのは彼だけではない。というのも、来たるシーズンを前にした大きな話題の一つは、ドライバーがいかにしてこの完全に新しいマシンにスタイルを大幅に適応させなければならないかということだからだ。

 マクラーレンのオスカー・ピアストリは「以前と比べてかなり大きな違いがある」と明かし、メルセデスのジョージ・ラッセルは「現時点では学ぶべきことがたくさんある」と主張した。

 学ばなければならない重要な要素のひとつが電気エネルギーへの依存度が高まったパワーユニット(PU)に関するものだ。内燃機関(エンジン)と同等の最大出力を有するモーターを最大限に活用するために、バッテリー回生は全24戦を通じて大きなテーマとなるだろう。

 ドライバーはタイムを縮めるためにエネルギーを温存したり、ストレートでシフトダウンしてエネルギーを回生する可能性もある。

 より良いラップタイムを達成するために速度を落とすことは、本質的には、ドライバーが成長過程で教えられてきたことに反することになる。そして、現チャンピオンのランド・ノリス(マクラーレン)は「現時点での最大の課題はバッテリー管理だ」と考えている。

 しかしそれに伴い、特に接近速度に関して、安全性に関する懸念が浮上した。例として、ドライバーがストレートでエネルギーを回生している際に後続車が全開で走行していた場合、両者の接近速度は以前よりも大幅に速くなるだろう。この問題は、メルセデスのトト・ウルフ代表がバルセロナでのシェイクダウンの際にも認めていた。

「ジョージは、(アルピーヌのフランコ)コラピントがロングランをしている間、コラピントを追い抜いたんだ」とウルフは話した。

「直線速度は時速60kmから50kmくらい差があったと思う」

 ウルフは新世代のマシンが32kg軽量化された一方、ダウンフォースが減少したことでレースのスタイルが変わると見ている。

「オーバーテイクが大幅に増えるだろう」とウルフは続けた。

「予想外の場所で発生するはずだ。最速のマシンと最高のドライバーが争う事実に加え、知的なドライビングという新たな次元が加わる。私の意見だが、F1の戦略は理解しやすい要素になると思う」

George Russell, Mercedes

George Russell, Mercedes

Photo by: Mercedes AMG

 楽観論がある一方で、接近速度の向上と新らしいオーバーテイク機会は、ジェッダのような複数の死角コーナーを有するサーキットでは潜在的なリスクを孕む。

 ラッセルは2年前、「時速360~370kmでのクラッシュはかなり狂気じみている」と指摘している。


 当時ラッセルは「ストレートではダウンフォースが極端に低下する」と述べていた。

「まるで空中を飛んでいるような感覚になるだろう。レース中に雨が降り出し、スリックタイヤで市街地サーキットを時速250マイル(約400km/h)で走行する状況を想像してみてほしい。かなり危険な状況になるはずだ。こうした疑問には答えが必要だ」

 ウエットコンディションでのレースへの懸念は残るものの、ラッセルはドライコンディションでは接近速度の向上は問題にならないと見ている。

「接近速度が速くなる例もあるだろうけど、ドライコンディションでは問題にならないと思う」

「視界不良のレースでは問題になるだろう。しかし視界が悪いということは、言うまでもなくウエットコンディションを意味する。ウエットコンディションではコーナリング速度が大幅に低下し、制動距離も長くなるため、エネルギー回収量が大幅に増加し、消費エネルギーは大幅に減少する」

「1周を通して、消費よりも回生されるエネルギーがはるかに多くなり、大幅な出力低下も少なくなる。つまりウエットコンディションでは1周を通して十分なエネルギーが確保できるはずで、速度差がそれほど大きくならないはずだ」

 この見解にはバルセロナでのシェイクダウンを振り返ったピアストリも同調した。

「(テストで)数台の車に接近し、1台をオーバーテイクした。かなりの速度差があったが、相手は親切に道を譲ってくれただけだと思う」

「だからDRS時代より速度差は少し大きくなるかもしれないが、極端な速度差による危険な状況は起きないだろう」

 このような潜在的な問題を克服できたのは、各チームが統括団体であるFIAと連携した結果だ。

「バッテリーがフルパワーで展開されていない状態だと350kWの差が生じる。これはかなりの馬力差だから、なんらかの合図が必要だと考えている」

 そうピアストリは付け加えた。

「そこで僕たちは、予期せぬ事態が発生した際に可能な限り安全かつ明確に対応できるよう、FIAと全チームが緊密に連携して取り組んできたんだ」

Additional reporting by Filip Cleeren and Stuart Codling

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