ハースにF1初の女性レースエンジニアが誕生。小松代表も担当オコンとの相性に期待「ふたりの性格は一致していて、それが推進力となる」
ハースは女性エンジニアのローラ・ミューラーをパフォーマンスエンジニアからオコン担当レースエンジニアに昇格させた。小松礼雄代表は、彼女がオコンと合うはずだと期待を寄せている。
ハースF1チームは2025年シーズンに向けて、チーフスタッフの刷新を行なうことを明らかにした。その中で一際目をひいたのが、女性エンジニアのローラ・ミューラーがエステバン・オコンの担当エンジニアになるということだ。
なおハースは、ミューラーと同じくロナン・オヘアもパフォーマンスエンジニアからレースエンジニアに昇格させ、こちらはオリバー・ベアマンの担当となる。他にも、マーク・ロウがスポーティングディレクターを務める。
ミハエル・シューマッハーの熱心なファンであったドイツ人のミューラーは、F1初の女性レースエンジニアとなる。これはF1が少しずつ包括的になったことの一端を示していると言える。
小松礼雄チーム代表は、ミューラーが性別ではなく実力によって登用されたことを強調するが、その一方で彼女の昇格が持つ重要性についても認識している。ちなみにハースはレース戦略責任者としてレーシングブルズからカリーヌ・クリデリッチを獲得するが、こちらも女性スタッフだ。
小松代表は、彼女たちの人事について次のように語る。
「ローラ・ミューラーとロナン・オヘアはこれまでどちらもパフォーマンスエンジニアを務めてきました。ロナンはウイリアムズに在籍したことがあり経験がありますが、一方でローラにとってハースは最初のF1チームです」
「しかし、ふたりとも高いポテンシャルと強い意欲を持っています。そこで我々は彼女たちを昇格させることにしました。外部から経験豊富なビッグネームを採用するのではなく、たとえ現時点では十分な経験がなかったとしても、優れた労働意欲やコミュニケーション能力を持つ、見込みのある人物を昇格させる……これはチーム全体に良いメッセージを送ることになります」
motorsport.comは小松代表に、ミューラーの性格、そして彼女がこの画期的な人事によってチームにもたらすものについて改めて尋ねた。曰く、彼女はオコンの野心にうまく対応して推進力を与える理想的な存在なのだという。
「彼女は意志が強い性格で、非常に勤勉です。素晴らしい労働意欲を持っているんです」
「人間性という点で言えばエステバンもかなり意志が強い人物ですから、そういう点では性格も一致していて、それが推進力となるでしょう」
「彼女は問題を見つけると徹底的に掘り下げて、最初に出した答えで止まることはありません。人によっては答えを見つけると、『よし、解決策を見つけた』と満足して先に進んでしまいますが、彼女はそうではありません」
「彼女の意思の強さが、私にとって最も印象的な部分です。彼女は年齢の割にかなりの経験を積んではいますが、指導やサポートを必要とすることもあります。しかし、その勤勉さのおかげで、彼女は非常に早く成長できると思います」
ミューラーは2022年にハースに加入し、最初はチームのシミュレーター業務を担当。そこからパフォーマンスエンジニアへと昇進した。
小松代表は、チーム内での人事の根底にあるのは「個々がチームにどのように適合し、パフォーマンスを最大化できるか」であり、ミューラーは「正しい選択」だと考えている。
小松代表はこう続ける。
「ローラはシミュレータの仕事をするためにチームに加わり、一部のレースイベントにも参加しました。その後はここ数年間、パフォーマンスエンジニアに配置転換となりました。そしてレースエンジニアを新たに任命するにあたって、彼女自身がその仕事に興味を示しました」
「エステバンが加入することが決まった時、技術的な側面だけでなく、性格的な相性が非常に重要だと感じました。特にレースエンジニアであればなおさらです。それで、ローラとエステバンの組み合わせが非常にうまく機能するだろうと感じました。無線でのコミュニケーションに関しても、彼女は非常に明瞭で冷静です」
オコンとミューラー、そしてベアマンとオヘアの新しい組み合わせは既に少しずつ関係を深めつつある。彼らは先週ヘレスで行なわれた旧車テストプログラムで初めて共に作業し、来週にはイタリアでのシート合わせに全員が参加する予定だ。
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