F1 フランスGP

F1メカ解説|マクラーレンもサイドポンツーンを”トレンド型”に変更。その効果はいかに?

マクラーレンは、開幕から使ってきたサイドポンツーンのデザインを諦め、今季のトレンドとも言えるデザインを踏襲してきた。この方向転換を決断したのはなぜなのか?

Matt Somerfield Giorgio Piola

編集: 2022/07/24 10:49

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McLaren MCL36 comparison

 マクラーレンはフランスGPに、アップデートされたサイドポンツーンを持ち込んできた。この新しいサイドポンツーンのデザインは、レッドブルやフェラーリの方向性に近づいたと言える。

 今シーズンは、レギュレーションが大きく変わったということもあり、各チームが思い思いの形状のサイドポンツーンを登場させた。しかし最近では、ひとつの方向性に集束しつつある。

 アストンマーチンは当初、前後に長く、下部にはアンダーカットがきつく入れられたサイドポンツーンを使っていた。しかしアップデートが施されると、アンダーカットは前端のみになり、サイドポンツーンの上面が後方に向かって落ち込んでいく形状となった。またウイリアムズも、開幕当初は前後長が短く、非常に小さなサイドポンツーンを使っていたが、最近ではアストンマーチン同様、サイドポンツーン上面が後方に向かって落ち込む形となった。

McLaren MLC36 floor

McLaren MLC36 floor

Photo by: Giorgio Piola

 マクラーレンは開幕から、特にリヤ部分がコンパクトなサイドポンツーンを使ってきた。これにより、フロア上面の気流にさらされる面積を大きく確保しようとしていたのだ。しかし、ライバルと同じように、上面がなだらかに後方に向けて後傾する形になった。

 フロア上面の露出面積を確保するのは、車体を避けるように外向きの気流……いわゆるアウトウオッシュを生み出すためだった。ただ、フロントタイヤが生み出す乱流の影響は顕在化していたと言われる。

 これを避けるため、多くのチームはサイドポンツーンの長さを延長し、その問題を解決することにしたわけだ。これによってサイドポンツーンの上面を”駆け降りて”きた気流は、マシンのリヤの細くなっている部分(コークボトル部分)の輪郭を辿るようになったのだ。

 またこの方法をとることで、サイドポンツーンの上面に冷却用の開口部……ルーバーを開けることができるようになった。これにより、サイドポンツーン内の熱を逃すことができる上、そこから排出された熱風を空力的に活かすこともできるはずだ。さらにリヤの冷却用開口部も小さくすることができる可能性があり、これも空力的な利益に繋がるかもしれない。

 このサイドポンツーンの変更に伴い、フロアフェンスやフロア下のストレーキにも変更が加えられ、さらにフロアエッジも修正されたようだ。マクラーレンはフロントタイヤをボディワークから遠ざけることで、フロントタイヤの後部に発生する乱流による影響を最小限にしようとしているようだ。

 後方を見ると、ディフューザーが立ち上がる部分の形状も変わっているのが分かるだろう。さらにフロアステーも、ほどんど気付かないほどに短くなっているのにも気付くはずだ。

 アルピーヌなど、アップデートを投入済みのチームに対して、劣勢に立たされていた感のあるマクラーレン。しかし今回のアップデートにより、ライバルを再び引き離すことに繋がるのだろうか? 要注目である。

 

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