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失敗を恐れない“攻めの姿勢”が作り出すウイリアムズの推進力「攻めたレース戦略を採るのは自由だ」

2021年第11戦ハンガリーGPでのダブル入賞以降上昇気流に乗るウイリアムズだが、その好調さに浮かれることなく攻めの姿勢を貫くことが肝心だとチームのデイブ・ロブソンは語る。

George Russell, Williams FW43B

写真:: Charles Coates / Motorsport Images

 ここ数シーズンとは大きく異なり、順調なシーズンを送っているウイリアムズだが、その好調さに浮かれることなく攻めの姿勢を貫くことが肝心だと、チームで車両パフォーマンス責任者を務めるデイブ・ロブソンは語る。

 80年代、90年代のF1を席巻した“名門”ウイリアムズは、2015年に3位を獲得して以降徐々にランキングを落とし、2018年には合計7ポイントで最下位まで転落。2019年は1ポイント、翌2020年はノーポイントに終わった。

 このように低迷していたことから、ウイリアムズは1ポイントでも獲得できれば嬉しい、そんな状況と言えた。しかし、2021年は第15戦ロシアGPを終えた時点で既に23ポイントを獲得している。

 アルファロメオ(7点/9番手)とハース(0点/10番手)を大きく引き離していることから、ウイリアムズは選手権ポイント剥奪などの異常事態が発生しない限り、アストンマーチンの後ろ8番手のポジションは安泰であろう。

 今季の初ポイント獲得は第11戦ハンガリーGPでのダブル入賞。レース1周目の1コーナーで起きた多重クラッシュをニコラス・ラティフィとジョージ・ラッセルのふたりともが無傷で切り抜けたという幸運もあるが、その後のレース戦略でも適切な判断を下し2019年ドイツGP以来のポイント獲得を果たした。

 特に今シーズンは、来季メルセデス昇格が決まっているラッセルの走りが光っている。第12戦ベルギーGPでは、彼のドライビングとチームのウエット路面でのマシンセッティングが相まって、予選で2番手を獲得。激しい降雨により数周のセーフティカー先導のみでレース成立&ハーフポイントの決勝となったが、ラッセルはF1で自身初の2位表彰台を獲得。チームとしても2017年アゼルバイジャンGP以来の表彰台となった。

 こちらも雨まじりのセッションとなったロシアGPの予選でも、予選Q3でライバルに先んじてスリックタイヤを投入するなどリスクを冒し、グリッド3番手を手にした。決勝では、ドライ路面でのペースに悩み後退。ただレース最終盤の降雨も味方して10位入賞を果たした。

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 ここ数戦のリザルトを鑑みても、ウイリアムズのマシンがここ数シーズンに比べて遥かに進歩していることは間違いない。ロブソン曰く、競争力のないマシンに運が味方したことだけがこのリザルトを生んだワケではないという。

 むしろ、彼らは“失うものがない”状況を最大限活かし、リスクを覚悟の上で大胆な決断を下している。ギャンブル的戦略を成功させればさせるほど、攻めた戦略を取れるようになるのだ。

「勢いがあるのは確かだ」とロブソンは語る。

「良い判断を下すことができれば、それを継続する後押しになる。マシンも悪くない」

「燃料搭載量の少ないドライ路面の状況だと、まだ我々が望んでいるペースは得られていない。でも問題ない。まだ取り組まなければならない事がある。ここ数年常に欠けていたモノだ」

「ロシアのように、このような状況で予選Q3に入ってしまえば失うモノは多くない。トップ3、4、5に入ることを考えているチームは、失うモノが多いのだ」

George Russell, Williams FW43B

George Russell, Williams FW43B

Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images

「(予選Q3で)もしもスリックタイヤが間違った判断だったならば、インターミディエイトタイヤに戻してアタックラップをする時間はなかった。そうしたら10番手になっていただろう。トップチームがチャンスをモノにするのはもっと難しい」

「スパの時と同じように、我々はトライすることに肯定的だった。最悪のケースの10番手でも喜べる結果だ。それにより自由に判断できるようになったのだ」

「また、最近のレース運営全体に言えることは、良い人材がいるグループが良い仕事をしていること。良い仕事ができる環境にある、ということだと思う」

 ウイリアムズは今、自らの力を取り戻しつつあるように感じていることだろう。

 競争力不足と財政難から、創業一家のウイリアムズ家はチームの未来を守るためにチーム売却を決断したが、新オーナーであるドリルトン・キャピタルとチーム代表のヨースト・カピトのもと、チームは前へ進んでいる。

 ベルギーGPやロシアGPで成果を挙げた大胆な判断を下せなければ、ウイリアムズの技術面での進歩が無に帰する可能性も大いにあった。しかし、チームは今季のマシン『FW43B』が競争力を増したことで、わずかなポイント獲得のために固執することはなく、攻めの姿勢を貫いた。その結果が23点という現在の獲得ポイントに反映されている。

 獲得ポイントの最大化のために戦略面でも攻める姿勢はカピトに叩き込まれたモノであり、ロブソンが言うところの成果でもある。

「今のところ、マシンは十分に良くなっているから、少なくとも攻めた判断による成果が出ているのが分かる。これは大きな違いだ」とロブソンは続ける。

「決断を下した後に、間違っていたと後悔しないということだ。実際に見合った成果が得られているからね。同様に、ヨーストもこの判断を間違いなく支持してくれている」

George Russell, Williams, 2nd position, with his trophy and Champagne

George Russell, Williams, 2nd position, with his trophy and Champagne

Photo by: Steve Etherington / Motorsport Images

「これまでのレース運営がそうでなかったとは言わないが、ヨーストはこうした判断を採るのは自由であり、間違っていたと分かっても元に戻す必要はない、と積極的に教えてくれる」

「良い仕事ができるように、彼がその役目を買って出てくれる」

 ロブソンは、前進を続けるウイリアムズに今求められているモノは、現状維持や良い時代の到来を待つことではないと語る。

 チームは「自分たちの上昇傾向に惑わされてはならず、謙虚さを失わないよう気をつけるべきだ」と考えており、ランキングが上がっていくにつれ状況はますます難しくなると理解している。

「やはりマシンが速くなればなるほど、私はそれを意識するようになる」と彼は認める。

「(新レギュレーション導入により)相対的にマシンペースが大きく向上することを期待しているが、その分プレッシャーも高まるのだ」

「現状では(ギャンブル的戦略に)勝てることが多く、失うモノが少ない。それにより少しはプレッシャーを軽減できていると思う」

「多くのチームメンバーは速いマシンでのレース運営を経験したことがないから、これまでとは様相が異なるだろう」

「異なる種類のプレッシャーになるかもしれない。ただ勢いのないままで進むよりも、ミスを減らしながら取り組んでいく方がよっぽど良い。我々は良いポジションに着けていると思う」

 
 

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