ハミルトンは”勝って当たり前”じゃない! メルセデス代表、偉業への批判を一蹴
メルセデス代表のトト・ウルフは、F1でのルイス・ハミルトンの成功を、メルセデスが持つ優位性のせいにして批判しているドライバーたちは間違っていると語った。
メルセデスのルイス・ハミルトンは、ニュルブルクリンクで開催されたF1アイフェルGPで優勝。ミハエル・シューマッハーと並びF1歴代最多タイとなる、通算91勝目をマークした。
しかしハミルトンの功績について、3度のF1王者であるジャッキー・スチュワートは「ジム・クラークやファン・マヌエル・ファンジオと比較すると、正当化するのは難しい」とコメントするなど、ハミルトンの評価に対する議論が高まっている。
メルセデスは2014年にパワーユニットが導入されて以降F1を”支配”しており、ハミルトンの91勝のうち、70勝はメルセデスで記録したものだ。しかし、チーム代表のトト・ウルフは、”メルセデスにいたから勝てた”という主張は間違っていると語った。
「このスポーツにおいて、レースに勝ちチャンピオンを獲得することは常に、チームとしての活動の結果だが、そのためには最高のマシンに乗ることができるようなポジションに、自分自身を置く必要がある」
「才能のある熟練ドライバーが間違った判断をしたり、賢明な判断をしなかったりしているのをたくさん見てきた。その点では、2013年にメルセデスに加入したのは彼であり、マシンに座り、我々が彼に提供するツールをコース上で実行できるのは彼なんだ」
「あくまでそれはツールなんだ。それだけでは記録を作ることはできなかったし、おそらく彼も、適切なクルマがなければ記録を作ることはできなかっただろう」
「『メルセデスのクルマを運転していれば、多くのレースで勝てるのは当たり前だ』という声を許したくなかったんだ」
「そういうドライバーたちは、なぜ自分たちがメルセデスへ入る道を見つけられなかったのか分析するべきだ」
ハミルトンは2012年にマクラーレンを離脱。2010年にワークス参戦復帰してから1勝しかしていなかったメルセデスへの移籍を決断した。この判断は当時、大きなリスクを伴うものだと思われていたが、結果的にハミルトンのキャリアに大きな変化をもたらすことになった。
motorsport.comの取材に応えたハミルトンに、メルセデスに加入したばかりの2013年の自分にどんなことを伝えたいか訊くと、彼は「今やっていることをやり続けるんだ」と答えた。
「後知恵というのは常に素晴らしいものだ。過去を振り返って、違うことをやると言うのは誰にでもできることだ」
「僕は正直に言って、何か違うことをしようとは思わない。自分が犯してきた失敗が、今の自分を本当に助けてくれているんだ。もし、そんな瞬間をひとつでも飛ばしてしまえば、今の自分はいないかもしれない。もしかしたらもっと前にいるのかもしれないけど、もっと後ろにいるかもしれない」
「2013年に自分が何歳(27~8歳)だったかも分からないけど、まだ若かったんだ。それにまだ、自分自身のことについて多くのことを学んでいる。その時から、かなり成長しているのが分かると思う」
「このチームへの移籍は、僕にとって正しいことだと思っていた。どうやってそれを知ったのか、自分にも分からないけどね」
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