ドライバーの”個人的メッセージ”禁止、実際は厳しくない? メルセデス代表「スポーツは団結のためにある」と楽観視
メルセデスのトト・ウルフ代表は、ドライバーの政治的、個人的なメッセージに対するFIAの取り締まりは、懸念されているほど厳しいものではないと考えている。
FIAはF1ドライバーが事前の許可なく、F1グランプリを政治的、宗教的、個人的なメッセージを発信する場として活用することを禁じたが、メルセデスのトト・ウルフ代表は人々が懸念しているほど、厳しい規制は行なわれないのではないかと語った。
FIAは12月21日に国際競技規則を更新。新しい第12.2.1.n条で、以下のようにドライバーの行動について定めた。
『国際競技会ではFIA、国内競技会ではASNの書面による事前承認がない限り、その規約の下でFIAが推進する中立性の一般原則に著しく違反する政治、宗教、個人の発言やコメントを一般的に作成、表示した場合、規則違反を犯したとみなされる』
この変更は大きな波紋を呼んだ。F1自体が”We Race As One”というスローガンの下、多様性の推進や反人種差別などの運動を進めてきたことや、ルイス・ハミルトンやセバスチャン・ベッテルなど、何人かのドライバーがF1というプラットフォームをうまく利用して、彼らにとって大きな意味を持つ問題を訴えてきたからだ。
FIAの強硬策は不必要な動きだと批判されているが、ウルフは取り締まりの厳しさがどの程度になるのかについてはオープンな考えを持っている。
また、レギュレーションの文言はかなり強引に思えるが、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムによる実際の対応はかなり異なる可能性があるとも指摘している。
「この件が本当にどうなるかを見る必要がある」と、ウルフは説明する。
「スポーツというのは政治を行なうものではなく、逆に団結するためにあるのだと理解している」
「モハメドとFIAが、正しいことを成し遂げようとしていることに疑いはない。ただ、過去にもっと率直な発言をしたドライバーと、それを整合させるということだ」
「モハメドがルイスと話をする時はいつも、あるいはその逆のときも、前向きな会話に終始してきた。だから、ひとたび人々が一緒にテーブルにつけば、オフシーズンに考えられているような厳しい状況にはならないことは間違いない」
ウイリアムズの新チーム代表に就任するジェームス・ボウルズも、ドライバーを黙らせることは正しいことではないと考えており、F1チームがFIAと一緒になって状況をよりよく理解することが重要であると同意している。
「政治的な発言に関して、我々のドライバーは制限の範囲内で、何を信じているか、何を考えているかを表現する自由を持っていると思う」
「ただ、これまでに発せられたものについての議論が必要であり、それが重要なことだと思う。外部のメディアで発表するのは、おそらく正しいやり方ではないだろう」
「なぜなら我々は皆、スポーツが成長し、その結果としてスポーツがより良くなることを望んでいるからだ。しかし、同時に人々の声も提供する必要がある」
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