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インタビュー

岩佐歩夢がFIA F3で心得た『欧州で生き抜く術』。理想のマシンで走るために必要な“適応力”と“説得力”

2021年にFIA F3にステップアップした岩佐歩夢。3台体制のチームでは自らの理想のセットアップでレースを戦うことは難しかったもの、その経験を経て学んだこと、成長できたことは大いにあったようだ。

Ayumu Iwasa

写真:: Red Bull Content Pool

 2021年シーズン、ハイテックからFIA F3に参戦した岩佐歩夢。海外挑戦2年目、F3は1年目というシーズンだったが、1勝を記録してランキング12位となり、チームメイトのジャック・クロフォード(13位)、ローマン・スタネック(16位)をランキングで上回った。

 チーム内で最も多くのポイントを稼ぐことに成功した岩佐だが、1チーム3台体制で戦うFIA F3において、自らの理想とするマシンセットアップを手にすることは容易ではなかったようだ。

 岩佐曰く、ハイテックは基本的に3台とも同じようなセットアップで走らせるような方針をとっているとのこと。そんな中、今季のドライバー3人はスタネックがアンダーステア傾向を好み、クロフォードは弱オーバーステア傾向、岩佐は完全なオーバーステア傾向を好むという三者三様のドライビングスタイルであったため、ハイテックはまず、以前チームで好成績を残したユーリ・ヴィップスやリアム・ローソンのデータを基にしたセットアップを3台に施していたようだ。しかし、この方針は必ずしもうまくいくとは限らず、3人揃って苦戦するケースも少なくなかった。

 岩佐はラウンド1終了後にヘレスで行なわれたテストのことを振り返り、次のように語った。

「ヘレステストでは、過去に良い成績を残しているリアム・ローソンやユーリ・ヴィップスのデータを基に進めていく中で3台とも苦戦していたので、これは(セットアップを)変えるべきなんじゃないかということを僕なりの方法で訴えかけていました。しかし、最初はエンジニア側も『そんなところにハイテックの改善点はない』といった雰囲気でした」

「ただ、エンジニアも徐々に僕のパフォーマンスやデータを使った説明を理解してくれるようになって、少し僕の好みに近づいたセットアップをしてくれました。それがテストでの結果(2日目午後トップタイム)に繋がったと思います」

 しかし、実績あるセットアップを優先する流れはその後も続いた。ただ岩佐はこれをポジティブに捉え、チームが提示するセットアップを受け入れてそれにアジャストすることを優先し、結果を残していった。そうすると、シーズン後半からはまた自分好みのマシンに近付けてもらうことができたという。

 そこで岩佐は、まず自らが説得力のあるパフォーマンスを見せることが重要であることを学んだようだ。

「僕はこの状況をポジティブに捉え、苦手なセットアップに自分のドライビングを合わせながら、結果に結びつけていきました。そうすると、後半戦のチームミーティングで、『スパのラウンドからは歩夢の好んでいるセットアップの方向性に持っていくよ』という話が出ました」

「そういうこともあったので、まずはエンジニアに言われたセットアップで結果を出すことが非常に重要だということを、1年間戦って感じました」

 仮に才能がありながらも、その速さを早くから証明することができなければ、チームは自分の理想とするマシンに仕上げてくれなくなってしまい、悪循環に陥ってしまう……その象徴的な例がデニス・ハウガーではないだろうか。

 ハウガーは2019年のイタリアF4チャンピオンで、2021年はFIA F3でチャンピオンに輝いており、その才能を示した。しかしハイテックからF3を戦っていた2020年は、わずか2回しか入賞することができず、当時のチームメイトであったリアム・ローソンの10分の1のポイントしか獲得できなかったのだ。

 これについては岩佐も「ハイテックは速いドライバーが誰なのか見えてくると、シーズンの最後までそのドライバーにフォーカスしたセットアップをするような印象です。あの年はリアムが飛び抜けていたので、彼にフォーカスしたことであのような結果になったのかもしれません」と分析している。

 ハウガーは翌年にプレマのシートを手にすることができ、タイトルを獲得することができたが、このようなシーズンを送ってしまうことで才能あるドライバーのキャリアが一気に下り坂となってしまうことは往々にしてある。そんな中で岩佐は、競争の激しいヨーロッパで生き抜く術を心得たはず。彼がシーズン序盤の課題として挙げていた「勢いをつけること」も、ある意味その“生き抜く術”のひとつだろう。

 岩佐はこう語る。

「マシンが大きく変わった後半戦でのアジャスト能力に関しては、成長できたと個人的に感じています。マシンをうまく作り上げられなかった反省はありますが、ドライバーとして成長できた実感はあります」

 
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