これが日産の技術力! 東京E-Prixに君が代響く……日産FEの元開発責任者西川氏「やってきたことは間違っていなかった」
日産のオリバー・ローランドが勝利を手にしたフォーミュラEの第9戦東京E-Prix。同チームのマシンに搭載されるパワートレインを開発した西川直志エンジニアに、その想いを尋ねた。
Race winner Oliver Rowland, Nissan Formula E Team
写真:: Simon Galloway / Motorsport Images via Getty Images
フォーミュラEの第9戦東京E-Prixが行なわれ、日産のオリバー・ローランドが優勝。これで今季4勝目となり、獲得ポイントは161……ランキング2番手のパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)に77ポイントもの大差をつけた。
この勝利を、2024年度まで日産フォーミュラEのチーフパワートレインエンジニアを務めていた西川直志は、「日産の技術力を証明できた」と喜んだ。
ローランドはポールポジションから決勝レースをスタート。他車がアタックモードを起動しペースを上げる中、ローランドはアタックモードの使用をレース後半にまとめる戦略を採った。
そんな中17周目に1回目のアタックモードを起動。今回は2回合計8分(2分+6分か、4分+4分にするかは、チームが選択できる)のアタックモード使用が義務付けられていたが、ここでローランドが起動したのは2分だった。
今季のアタックモードは圧倒的なパフォーマンスを誇るため、大きくポジションを上げる絶好の機会だ。この頃ローランドは、アタックモードを起動したライバルに抜かれ、5〜6番手付近に位置していた。しかもライバルのほとんどが1回目のアタックモードを使い切った後にローランドが起動したため、大きくポジションを上げるモノと誰もが思った。
しかしローランドは、同じようなタイミングでアタックモードを起動したニック・キャシディ(ジャガー)に押さえ込まれるような形になってしまい、ひとつしかポジションを挽回することができなかった。
「最初のアタックモードを起動した時、キャシディに引っかかってしまって、少しやばいと思いました。順位もひとつしか上げられませんでしたから」
そう西川氏は語る。ただ、前述の通りローランドが使ったのは2分だけであり、あと6分間残っていた。対するライバルたちは4分づつ使う戦略を採ったため、これが功を奏した。レース後半に2分ほど多くアタックモードを起動できたことで、首位に返り咲くことができたのだ。
「我々は最後の6分を他よりも先に起動しました。その時、ライバル勢がみんなローランドをフォローする形で残りの4分を起動したじゃないですか。あの瞬間に『勝ったな』と思いました」
そしてローランドはトップチェッカー。表彰式では、東京の空と東京湾をバックに「君が代」が流れた。
「気持ちいいですね、やった! という達成感があります。メキシコで勝った時もだいぶ感情的にはなりましたけど、やっぱり格別ですね。そして、君が代が流れている時に横で次男が全然違う歌を歌うという……すごくグッとくるシーンでした」
「やってきたことは間違っていなかったと思います。チームのみんなで、『We did it!(やったぞ!)』と言って喜び合いました。ほっとしたし、日産の技術力を見せられたと思います」
西川氏は2024年限りでフォーミュラEの担当エンジニアの職を離れ、今は市販車開発を担当する立場に異動している。しかし現在日産のフォーミュラEマシンに搭載されているパワートレインは、紛れもなく西川氏らが手がけたもの。そして優勝を経験できるのは格別だと語った。
「最後戻ってくる時に、日産のファンのみなさんがすごくたくさん待ってくれていました。ガレージの前とかで。そしてトロフィーをお見せしたら、みなさんすごく喜んでくれました」
「こんなのって、本来サラリーマンならまず経験できないことじゃないですか。いや、本当に嬉しいです」
西川氏はインタビューの後、「では、リアルライフに戻ります」と言って家路に就いた。彼が今後手がける市販車がどんなものなのか? 楽しみだ。
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