エリクソン、2度目のインディ500制覇目前で逃す「どうすれば良かったのか、考えて眠れなくなるだろう」
アンドレッティのマーカス・エリクソンは、インディ500を2位で終え、「何ができたのだろう」と肩を落とした。
アンドレッティ・グローバルのマーカス・エリクソンは、第109回インディ500の優勝を狙えるチャンスを得ながらも、”最速の敗者”となったことに落胆を隠せなかった。
2022年にインディ500を制したエリクソンは、その翌年も優勝争いに絡んで2位。今回も合わせると、4年で3度優勝争いを演じたことになる。しかしそれだけに、2度目の栄冠に手が届かなかった悔しさは深いようだ。
「このレースは勝者が全てを手にするタイプのレースで、僕はそれをモノにできていた」
そうエリクソンはレース後に語った。
「とてもつらいよ」
9番手からレースをスタートしたエリクソンは、レース前半の混乱を避け、彼の乗る28号車のクルーと共に、レース終盤に向けて優勝を争えるだけの準備を整えていった。
そして実際、最後のピットストップを終えた時点でエリクソンはトップに浮上。レースを17周にわたってリードした。しかも、2番手のアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)がそれほど燃料に余裕がないタイミングでラストピットを終えており、パロウより3周遅くラストピットを終えたエリクソンがかなり有利なのではないかと見られていた。
しかし誤算だったのが、周回遅れの存在だ。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのデブリン・デフランチェスコとルイ・フォスターが何とかリードラップに残ろうとポジションを入れ替えながら走っているところに、エリクソンが追いついてしまったのだ。
エリクソンがこの2台を抜きあぐねている間に、パロウが接近。そしてエリクソンの意表を突く形でオーバーテイクに成功し、残り14周でパロウが首位に浮上した。
パロウに前に出られてからフィニッシュまで、エリクソンは全力で彼を追った。しかし周回遅れのマシンがパロウの前に留まったことで、トウ(スリップストリーム)を得たパロウを抜くに至らず。ファイナルラップは他のマシンでイエロー・コーションも出され、万事休すとなった。
レース後の記者会見でエリクソンは、「周回遅れのマシンが前にいて、僕はダーティエアの中で少し苦しんでいた」と振り返った。
「アレックスは僕に近づいてきていたけど、僕は彼が(オーバーテイクを)狙っていないと思っていたんだ。しばらくは、あの瞬間に僕がしたこと、しなかったことを考えて夜も眠れないだろう」
エリクソンのレースは、決して順風満帆だったわけではない。9番手からスタートしたものの、序盤は「誰にもついていけず、もがき苦しんでいた」という。中盤にはストップが遅れ、最後尾近くまで後退している。
しかしうまくマシンをアジャストした上、正しいピット戦略がエリクソンのレースをひっくり返し、インディ500で2勝目を挙げるチャンスを与えた。
オーバーテイクを決めてみせたパロウは見事だが、もしかしたらパロウの方がほんの少し集団の中で走りやすいマシンになっていたのかもしれない。エリクソンとしては、あの周回遅れがいなかったら……勝負を分けたオーバーテイクを防げていたら……そんな思いは拭えないだろう。
「どうすればもっと違った走りができたのか、これから何度も頭の中で考えてみるつもりだ。僕らの間に1台でもマシンがいれば、アレックスに対して大きな緩衝材になっていただろうからね」
「何をすればよかったのか、分からない。何か違うことができなかったのか、ラストスティントをどう走るべきだったのか……そのことを考えると、夜も眠れなくなりそうだ」
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