アルピーヌのBoPが再調整。最大出力が削減、プラクティス開始前よりも低い水準に
LMP1マシンでル・マン24時間レースに参戦しているアルピーヌは、ハイパーポールを前に最大出力が引き上げられていたが、決勝レースを前に再度性能が調整されることになった。
#36 Alpine Elf Team Alpine A480 - Gibson LMP1 of André Negrao, Nicolas Lapierre, Matthieu Vaxiviere
Marc Fleury
旧規定であるLMP1マシンでル・マン24時間レースに参戦しているアルピーヌは、決勝レースを前にBoP(性能調整)の変更を受け、公式テスト時よりも低い417kW(559bhp)の最大出力でレースを戦うことになった。
アルピーヌのマシンは、最大出力420kW(563bhp)で先週末の公式テストデーと、レースウィーク初日の水曜日を走っていた。しかし、アルピーヌはトップスピード不足を訴え、BoPの変更を望んでいることを示唆していた。
実際、ミュルサンヌ・ストレートにあるスピードトラップでは、アルピーヌはトヨタやグリッケンハウスよりもトップスピードが時速10km以上遅かったのだ。
これを受けて、木曜日のプラクティスと予選ハイパーポールを前に、アルピーヌのBoPが変更され、7kW(9bhp)出力が引き上げられた。
するとアルピーヌはそれまで苦しんでいたのが嘘のように一気にペースアップ。木曜日夜のハイパーポールセッションでは、ニコラス・ラピエールが3分24秒850を記録してトヨタの2台に続く3番手となった。
トヨタ勢はハイパーポールで2秒ほどタイムを上げているが、アルピーヌの伸びはそれ以上。ハイパーポール直前のプラクティス3では、3分29秒259で5番手だったマシンが、一気に5秒近くもタイムアップしたのだ。
これを受けて、アルピーヌはあえてテストやプラクティスを遅く走り、パワーアップをもぎとったのではないかと疑われることになった。トヨタのチーム代表兼7号車のドライバーである小林可夢偉も、次のように語った。
「(アルピーヌは)シミュレーションでは(性能調整によって)1秒くらいしか速くならないはずでしたが、2.6秒くらい速くなりました。彼らはかなり三味線を弾いていたのではないかと感じています」
一方、ラピエールは疑惑を否定。エンジンパワーの向上は、アルピーヌのタイムアップのごく一部に過ぎないとしている。
「7kWはコンマ5、7秒の価値があると思う」と、彼はmotorsport.comに語った。
「プラクティスでは予選シミュレーションを行なわず、レースの準備に集中した。このコンディションの中でマシンは本当によく機能していたし、僕は美しいラップを刻んだ。LMP2マシンのスリップストリームもあったしね」
「我々は本当に良い予選ができた。一方、トラックリミット(ペナルティ)のある他のドライバーはもっと厄介だった」
アルピーヌが三味線を弾いていたのかどうか本当のところは分からないが、決勝前のBoP変更により、アルピーヌは苦しい立場に立たされたと言えそうだ。
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