ドライバー交代は窓から! NASCAR異例のル・マン24時間参戦に、バトンの経験は”大きな財産”に
豊富な経験を持つ元F1ドライバー、ジェンソン・バトンの存在はNASCARでル・マン24時間レースに参戦するプロジェクトにおいて、大きな存在となっているようだ。
元F1ドライバーでWEC(FIA世界耐久選手権)にも参戦した経験があるジェンソン・バトンは、NASCARマシンを使ったル・マン24時間レース参戦において、貴重な財産となっているようだ。
このプロジェクトは、”未来へ向けたテクノロジー”のために設けられたガレージ56枠を活用し、NASCARのカップカー、シボレー『カマロ ZV1』のNext Genマシンでル・マン24時間レースに参戦するというモノだ。
バトンは1月31日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイのロードコースで実施されたテストでこのマシンを初ドライブした。
このプロジェクトのドライバーでもあるジミー・ジョンソンと長年コンビを組んだ名エンジニアであり、プロジェクトリーダーを務めるチャド・カナウスは、国際的なレースで活躍したバトンの存在はチームにとって有益な存在だと語った。
一方で、マシンをシェアするジョンソンやマイク・ロッケンフェラーとのドライバー交代は大きなチャレンジになるとカナウスは考えている。
というのも、NASCARのマシンはパイプフレームに金属製カウルを取り付けたものであり、ドアはない。ドライバーは窓からマシンに乗り降りするのだ。それはル・マン24時間レースに参戦するこのプロジェクトのマシンも同様だ。
Garage 56 driver lineup: Jimmie Johnson, Mike Rockenfeller, Jenson Button
Photo by: James Gilbert / Getty Images
「(これまでバトンには)シミュレータ作業をさせ、フィッティング作業を進めてきた」
「我々がすぐに学んだことのひとつは、NASCARスタイルのクルマはドライバー交代の面でグレートではないということだ」
「ひとりは6フィート1インチ(約185cm/バトン)あって、もうひとりは5フィート8インチ(約172cm/ロッケンフェラー)なので、これはちょっとした挑戦だ(編注:なお、ジョンソンの身長は約180cm)。そして言うまでもなく、安全性は我々にとって最も重要なことだ。ドライバー交代に伴い、そのすべてをクリアにする必要がある」
「ジェンソンはスピードリミッターやピットロードの速度、ボタンなどに関する豊富な知識を持っており、彼はその観点から我々にとって大きな財産になるだろう」
NASCARカップシリーズでジョンソンのクルーチーフとして共に81勝を挙げたカナウスは、バトンをラインアップに加えた根拠を尋ねられると、「完璧な組み合わせ」を見つけるという夢があったと説明した。
「プロジェクトを始めた時、我々はエリートだと思えるドライバーを揃えたかったんだ」
「我々はNASCARの代表としてル・マンに参戦してもらうために、様々なジャンルのドライバーと話をした。そして、最終的に完璧な組み合わせに着地した」
カナウスは、バトンが以前テストに訪れた際、このプロジェクトの真剣さに驚いたというエピソードを明かした。
「実を言うと、ジェンソンは数週間前に行なったセブリングのテストに来たんだ。夜間便に乗って、クルマを見て、クルマに座って、我々がやっていることを見ていた」
「彼は口をあんぐり開けて『これはちゃんとした取り組みなんだ』と言っていた。その後、ヘンドリック・モータースポーツの施設内を飛行するドローンの映像を送ったら、『冗談だろう!』とメールが返ってきたんだ。私は『ここが我々の仕事場だ』と返したよ」
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