リジェ&ボッシュが水素エンジンのデモカーをル・マンで発表へ。トヨタが先鞭つけた技術に”大きな可能性”期待
スポーツカーコンストラクターのリジェ・オートモーティブは、ボッシュ・エンジニアリングとの共同事業により、来月のル・マン24時間レースで新しい水素デモカーを公開するという。
写真:: Julien Breteau
Engineering
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フランスのスポーツカーコンストラクターであるリジェ・オートモーティブは、ボッシュと提携しリジェJS2 Rレーサーをベースにした水素エンジン車両を、今年のル・マン24時間レースで発表する予定だ。
ボッシュはLMDh車両のハイブリッドシステムのうち、モータージェネレーターユニット、インバーター、車両制御ユニットを供給している。
リジェの声明によると、この協力の目的は「従来のガソリンエンジン搭載のスポーツカーと同等のドライブダイナミクスを実現する、水素エンジン搭載の高性能車を作ること」であるという。
1975年にル・マンで2位となったリジェJS2にちなんで名付けられたJS2 RH2は、3つの水素タンクを内蔵し、改造されたV6エンジンを搭載する。
ボッシュはエンジンや水素貯蔵タンク、安全コンセプトなど車両コンセプト全般を統括し、リジェは車両アーキテクチャ、H2システムの統合、冷却を管理する。
リジェ・オートモーティブ社長のジャック・ニコレは、次のように述べている。
「レーシングカーと特殊車両のメーカーとして、モータースポーツと高性能車に新たな発展の道を提供するために、明日の課題に対応するイノベーションを提供しなければならない」
「このプロジェクトは、新エネルギーと新技術を統合するために自動車メーカーから選ばれるパートナーになるというリジェ・オートモーティブの戦略の一環だ」
ボッシュ・エンジニアリングの社長であるヨハネス-ヨルグ・ルガーは次のように語った。
「エンジニアリングサービスプロバイダーとして、我々は技術に対してオープンであり、気候ニュートラルモビリティへの道における様々な技術的選択肢を並行して探求し、世界中のお客様のすべての要求に対して、それぞれのケースで最適なソリューションを考案することが我々の仕事であると考えている」
「この文脈において、水素技術の推進は特にモータースポーツや高性能スポーツカーにおいて、大きな可能性を秘めている」
水素を燃料としたエンジンという点で、先鞭をつけたのはトヨタだった。水素エンジンを搭載したカローラを、スーパー耐久で走らせ技術を磨いているのだ。また、昨年のWRCラリー・イープルでは、水素エンジンを搭載したGRヤリスを走らせてもいる。
一方、ル・マンの主催者であるACO(フランス西部自動車クラブ)も、GreenGTとのジョイントベンチャーを立ち上げ、LMP3車両ベースとした水素燃料電池車のMissionH24で、従来のエンジンで走るLMP3車両やGT3と競い合うプロジェクトを進めている。
ACOは2017年、ル・マンでゼロエミッションクラスを設立するためにワーキンググループを立ち上げ、レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズとオレカがコンセプトシャシーを設計する計画を明らかにし、2024年の発足を目指していた。
しかし、クラスのあり方をめぐる議論が続く中、設立は早くても2026年まで延期されることが決まっている。
リジェ・オートモーティブは、LMP2およびLMP3シャシーのサプライヤーとして承認されており、現在はランボルギーニと共同で次期LMDhプロトタイプを開発している。
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