ただのステッカーじゃありません! ル・マン仕様NASCARカップカー、ヘッドライトを初搭載。性能はGT3より上?
NASCARカップカーをル・マン24時間レースに持ち込むガレージ56は、デイトナで行なわれた走行テストの際にヘッドライトを初搭載。2009年のF1王者ジェンソン・バトンがマシンのステアリングを握った。

”未来へ向けたテクノロジー”のため主催のACOがル・マン24時間レースに設置している「ガレージ56」からシボレー『カマロZV1』NASCARカップカーを走らせるヘンドリック・モータースポーツ(HMS)とNASCAR、シボレー、グッドイヤーの共同チームは、2024年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権から投入されるシボレー『コルベット Z06 GT3.R』と共にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで走行テストを実施した。
ル・マン仕様のカマロZV1を2009年のF1世界チャンピオンであるジェンソン・バトンが走らせ、夕方の走行ではヘッドライトのセットアップが公開された。
言うまでもないかもしれないが、パイプフレームに金属製カウルを取り付けたNASCARカップカーには灯器類は付いておらず、通常はライトを模したステッカーが貼られている。
しかしル・マンでの無灯火運転は不可能。ル・マン仕様のNASCARカップカーには光量のあるヘッドライドに加えて、フロントグリルの左右にフォグランプが搭載された。
走行テストに先立ち、ガレージ56のプロジェクト・マネージャーを務めるチャド・クナウスは「NASCARマシンにヘッドライトを搭載するのは何年ぶりだろう……」と語っていた。

Garage56 Testing
Photo by: James Gilbert / Getty Images
テスト車両のラップタイムは、IMSA開幕戦のデイトナ24時間レースでGTDクラスの上位勢が記録したタイムと同等と報告されている。
ル・マンでの性能ランキングの中でル・マン仕様のNASCARカップカーがどこに当てはまるか、という質問についてクナウスは「目標は少し変動する」と答え、次のように続けた。
「我々はBoP(性能調整)の面にはあまり詳しくないから、それに関する動きはない。我々はマシンから最大限のパフォーマンスを引き出すことを目標にしているから、BoPがどこで決着するかで(全体の性能差が)決まることになる」
「GTEマシンより少し下でGT3マシンより少し上……それが我々の目指すところだ。そこに到達できれば最高だね。でも、まだ課題は沢山残っている」
20周の走行テストを終えたバトンは、NASCAR.comに次のように語った。
「僕としては、マシンのポジションに慣れることが重要だった。明らかにボディはロールする。オーバーステア傾向も感じられるけど、それはオーバーステアじゃなくてマシン本来の設定なんだ」
「だからカップシリーズと同じように、リヤがとても低い位置にある。学ぶことは沢山あるけど、学びの対象はレースマシン。レースマシンの作業ができるんだ」
ガレージ56は今後、バトンとジミー・ジョンソン、マイク・ロッケンフェラーから得られたデータやフィードバックを分析。月末のセブリングで行なわれる次回のテストでは、18~24時間の連続耐久走行に挑戦する予定だという。
「今回のテストは走行マイレージを稼ぎ、チームが初めて一堂に会しドライバー公開の練習を行ない、タイヤをテストすることなどが目的だった」
ロッケンフェラーはデイトナでそう語った。
「ある意味、これもひとつのマイルストーンだと思うけど、今後もまだ少しテストが必要だ」
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