9月開催が予定される2020年のル・マン24時間は、“史上最速”のレースになる?
グッドイヤーのモータースポーツディレクター、ベン・クローリーによると、ル・マン24時間レースが9月に開催された場合、気温が低いことから、歴代屈指のスピードで競われるレースになるかもしれないという。
例年6月に開催されているル・マン24時間レースの第88回大会は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響により9月19日〜20日に延期された。フランス西部自動車協会(ACO)のピエール・フィヨン会長によると、状況次第でこのイベントは10月または11月まで延期することが可能だという。
どちらにせよ、9月〜11月に開催されるとなると、気温や路面温度が6月開催時よりも低くなるだろう。一方で日照時間が短くなることで、視界が制限される夜間の走行時間が増えるのは必至だ。
なお、今シーズンの世界耐久選手権(WEC)はLMP1クラスのラストシーズンとなり、来季からは新たにLMHクラスが最高峰クラスとして導入される。LMHクラスのハイパーカーは、LMP1クラスのハイパーカーよりも低速であると予測されているため、比較的涼しい気候が予想される2020年のル・マンが“史上最速”のレースとなる可能性がある。
その説を提唱するのが、グッドイヤーのモータースポーツディレクターであるベン・クローリーだ。グッドイヤーは現在、WECのLMP2クラスの複数チームにタイヤを供給しており、ル・マンに参戦するいくつかのヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)勢にもタイヤを供給している。
「6月と9月では気温差があるだろう。一桁しか気温差がない時もあれば、最大で30度近く差がある時もある」とクローリーはWEC公式ポッドキャストで語った。
「9月には、おそらく気温・路面温度が全体的に低くなることが予想される。そして夜の時間が長くなる可能性もある」
「我々は近年で最速のル・マンを見られるかもしれない。気温が下がると、ドライバーやチームは(セットアップ等で)バランスをとることができるだろうし、よりソフトなタイヤを使うことに焦点を当てられるだろう」
「涼しいコンディションの下では、タイヤのポテンシャルを最大限発揮できる可能性があるので、いつものように頻繁にタイヤを交換する必要がなくなり、ピットストップの回数が少なくなると予想される」
「そのような観点で考えると、(今年の)9月のル・マンはとても速いレースになるかもしれない」
一方、アストンマーチンのファクトリードライバーで、今季はWECに加えてスーパーGTにも参戦するニッキー・ティームは、2020年のル・マンがこれまでと全く異なるレースになると予想しており、夜が長くなる可能性があることから、雨が降った場合は危険であると警鐘を鳴らした。
「僕の父(元DTM王者のカート)とそれについて話したんだけど、ル・マンの日程が後ろ倒しになるほど、夏にやっていたこれまでのレースとは全く異なるものになるだろう」とティームは話した。
「問題なのは、気温が異なることが様々な影響を与える可能性があることだ」
「どこかで雨が降ってきたとしよう。もちろん雨が降る中で暗闇のコースを長時間走るのは、誰にとっても簡単なことではないだろう」
「さらに、もしあまりに寒いコンディションになった場合、チームで集まって最適なバランスとパフォーマンスを引き出す方法について話し合う必要が出てくる」
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