レースレポート

FIM Endurance Suzuka 8 Hours

鈴鹿8耐決勝|灼熱の8時間、Team HRCがレースを支配して完全勝利。カワサキ連覇の夢砕く

第43回鈴鹿8時間耐久ロードレースの決勝レースが、8月7日に行なわれた。3年ぶりに開催されたこのレースを制したのは、#33 Team HRC(長島哲太/高橋巧/イケル・レクオナ)だった。

永安陽介

編集: 2022/08/07 14:41

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#33 Team HRC,Nagashima Tetsuta,Takahashi Takumi,Iker Lecuona

 新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、鈴鹿8時間耐久ロードレースは2019年以来開催中止が続いていた。今シーズンは3年ぶりの開催が実現し、多くのファンが久しぶりの夏の祭典を楽しんだ。そんな中優勝を手にしたのは、長島哲太、高橋巧、イケル・レクオナと超豪華メンバーを揃えた#33 Team HRCだった。

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 今年注目されたチームは、2019年以来の連覇を狙う#10 Kawasaki Racing Team Suzuka 8H(ジョナサン・レイ/レオン・ハスラム/アレックス・ロウズ)、そして8耐での勝利から遠ざかっているホンダのワークス体制となる#33 Team HRCだった。ともにスーパーバイク世界選手権やロードレース世界選手権MotoGPなど世界で活躍しているライダーを招聘するなど、力の入れようは明らかだった。

 またEWC(世界耐久選手権)にレギュラー参戦する#7 YART - Yamaha Official Team EWCや、今季限りでEWC撤退の決まっているスズキの#1 Yoshimura SERT Motulも、優勝候補の一角に挙げられた。

 予選とトップ10予選では、#33 Team HRCが速さを発揮し、特に長島は唯一の2分4秒台のタイムを記録してHRCにポールポジションをもたらした。

 土曜日までは天候が不安定な状態が続いていたが、決勝日は天候が回復。夏らしい暑さと明るさでレース開始を迎えた。

■序盤から2度セーフティカー出動波乱の展開

 8耐のスタートは、恒例の”ルマン式スタート”。抜群の蹴り出しを見せたのは#5 F.C.C. TSR Honda Franceのジョシュ・フックで、HRCから先頭を奪取する形でレースが始まった。

 2周目にはいきなりアクシデントが発生。スプーンカーブで#17 Astemo Honda Dream SI Racing(作本輝介)がスリップダウンし転倒。コースを滑ったマシンが#73 SDG Honda Racing(浦本修充)を直撃し、巻き添えにする形でクラッシュしてしまった。この事故によりセーフティカーが出動した。

 レース再開後はHRCとカワサキが先頭を争ったが、ホームストレートで抜群の速度を生かしてHRCが先頭の座を盤石とすることに成功した。ジョナサン・レイと長島哲太によるエースライダー同士のタイムの叩き合いという状況もあったが、ここは長島が一枚上手。2台の差は拡大していった。

 スタートから2時間あまりが過ぎると、カワサキにとっては受難の展開となっていく。#51 T.MOTOKIDS TAKADA I.W. NACのクラッシュをきっかけに出動した2度目のセーフティカーで、HRCと同じセーフティカーの集団に入ることができず、ギャップが更に拡大してしまったのだ。

 レイはこのギャップを削るべく、レース中盤に2分7秒台連発の攻めた走りを見せた。しかしレースの折返しとなる4時間経過を目前としたところでレイが転倒を喫してしまい、一度は縮めつつあったギャップが2分以上まで再び広がってしまった。

 ただ転倒のダメージは少なく、その後もピットに入ることなくレースを継続。HRCとの差は劇的に変わること無いまま、周回を重ねていった。

 レースの残りが1時間となった頃、#7 YARTヤマハが#74 AKENO SPEED.YAMAHAとともにスプーンカーブでクラッシュ。3度目のSC出動となったが、これは優勝争いの情勢に大きな影響は与えなかった。

 トップを快走するHRCは最後のスティントに長島を起用。最後は8時間経過直前にコントロールラインを通過したことで、長島は鈴鹿を”もう1周”してトップチェッカー。#33 Team HRCが優勝を果たした。なおホンダ勢として8耐優勝は2014年以来8年ぶりのことだ。2位はカワサキ。2019年から3年越しの連覇を狙ったが、最終的にはHRCに1周差で敗れる結果となった。

■EWCレギュラー参戦チームの争い

 ワークス・チーム同士が激しい争いを展開している傍らでは、FIM EWC(世界耐久選手権)のレギュラー参戦チームによる戦いも繰り広げられた。

 序盤に上位を走っていた#5 F.C.C. TSR Honda Franceは2時間経過時のピットストップでタイヤ交換に手間取ってしまい、通常より1分以上長い2分を費やすことになった。さらに彼らは後にライドスルーペナルティも科されたため、さらにポジションを落とすことになった。

 結果的に上位争いは#7 YARTヤマハと、22番手スタートだったにもかかわらず序盤からグレッグ・ブラックが驚異的な追い上げを見せた#1 Yoshimura SERT Motulの2台に絞られることになった。

 YARTヤマハは3人のライダーがそれぞれ好ペースを発揮し、ヨシムラSERTに対して優位を築いていた。しかし残り1時間というタイミングで、YARTヤマハは転倒。なんとかマシンをピットに持ち帰り、チームはわずか6分ほどで修理を完了させる離れ業を見せてレースに復帰することになったが、SC出動中とはいえヨシムラSERTに先行されることになってしまった。

 労せず総合3番手に浮上したヨシムラSERTは、このポジションを最後までしっかりと守りきり、チェッカーを受けた。

 なお今回ヨシムラSERTはEWC参戦ライダーのシルヴァン・ギュントーリがテストで左腕に怪我をし欠場。さらにザビエル・シメオンも直前の検査で新型コロナウイルス陽性と判定され、こちらも欠場を余儀なくされた。その結果レースは、グレッグ・ブラックと渡辺一樹の2人体制で臨まなければならなかった。

 YARTヤマハは最終的に7位でフィニッシュ。終盤のアクシデントが結果に大きく影響することとなったが、見事なピット作業はファンを沸かせた。

 FIM EWCは9月17〜18日にかけて行われるボルドール24時間レースが、今季最終戦。ヨシムラSERTがスズキ参戦最終年にタイトルを獲得できるか、注目が集まる。

 

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