MotoGPはいつシリーズを再開できるのか？：新型コロナウイルスのモータースポーツへの影響（2）

　世界中で新型コロナウイルスへの感染が拡大している。この影響はモータースポーツ界にも及んでおり、多くのシリーズが3月〜4月にかけてレースを開催することができそうもない状況だ。

　そんな中、MotoGPはこの困難な状況に最も積極的に対応しているシリーズだと言える。同シリーズの商業権を持つドルナ・スポーツと、シリーズを統括するFIA（国際モーターサイクリズム協会）は、事態に対処するため、密にコミュニケーションを取っている。

　今シーズンのMotoGPは、カタールで開幕戦を迎える予定だった。しかし、イタリアで新型コロナウイルスの感染者が急増したことを受け、カタールは同国から入国する渡航者に対して検疫措置を強化することを決定。これにより、多くのチームがレースに参戦できないことになり、レース自体の開催を止めるしか選択肢はなかった。なおMoto2とMoto3の両クラスは、事前テストのために現地入りしていたため、予定通りレースが開催された。

　ただその後、新型コロナウイルスの感染が世界各国に広がったことを受け、MotoGPはタイ、アメリカ、アルゼンチンでのレースも延期することになった。

　これら3レースはシーズン後半に代替開催が予定されているが、カタールに関しては今後数ヵ月にわたってコースの改修作業が行なわれることになっているため、延期しての開催は行なわれない。

　ただ、3レースがシーズン終盤に延期されたことで、10週間で8レースを開催するという超過密日程となった。これは、各チームのスタッフやライダーなどに過度な負担をかけることに繋がるかもしれない。

　現時点では、シーズン初戦は5月3日のスペインGP（ヘレス）になる予定だ。しかし、スペインでも新型コロナウイルスの感染者が急増し始めており、これもどうなるのか分からない。

　ドルナとFIMは、19レース全てを開催することを望んでおり、もし必要ならば来年の1月までシーズンを延長することも辞さないとしている。また、週末に2レースを行なうダブルヘッダー、さらにバックアップとなっている会場での代替開催も検討されているものと見られる。

2020年MotoGP 現時点での開催カレンダー