欧州の知見がホンダMotoGPを救うか……元アプリリアの新技術ディレクター、トップ10以下の現状から抜け出す鍵に? HRCの考え訊く
ホンダ・レーシング(HRC)は、2024年のMotoGPでの苦戦は「予想外」だったことを認める。2025年に向けて改善を目指す上で、新加入のテクニカルディレクターを目論見どおりしっかりと活かせるかどうかも重要となる。
MotoGPに参戦しているホンダ(HRC/ホンダ・レーシング)は、2024年に大苦戦。痛恨のコンストラクターズランキング最下位で終えた。このシーズンをどう考えているのか? HRC上層部に話を聞いた。
ホンダは2019年にマルク・マルケスと共にタイトルを獲得した後、成績が低迷。2023年も厳しい戦いを強いられたが、2024年シーズンはそれ以上に苦しい形となってしまった。
長年絶対的なエースだったマルケスはドゥカティ陣営のグレシーニへと移り、ホンダはジョアン・ミルとルカ・マリーニのコンビで2024年のMotoGPをスタートさせた。しかしトップ10フィニッシュもままならない状況で、コンストラクターズランキングではわずか75ポイントの最下位……8台の勢力を誇るドゥカティ勢と単純な比較は難しいが、それでもその差が10倍に迫るモノだったというのは、彼らの苦戦を如実に表すモノだったと見ていいだろう。
「想定はしていなかったです。“想定外の悪さ”というのが言い方としては合っていると思います」
決勝でトップ10フィニッシュを記録できずにシーズンを終えたことについて尋ねると、HRCのレース開発室長である佐藤辰は率直にそう答えた。
「当初2023年の今頃(開幕前)を振り返ると、この結果は予想はしていなかったという所です」
そして想定外の結果になった要因については「タイヤを他社さんよりうまく使えなかった」と語った。
このタイヤの使い方には、近年発達が著しいエアロダイナミクスが関与している部分も多い。HRCにホンダの四輪レース部門が統合されたこともあり、今ではその知見も生かされているようだ。また、本田技術研究所などから異動してきた人材もいるという。昨年9月のミサノテストで導入され、ライダーからもポジティブな評価を得ていた新型のカウルには、これらの効果が早速発揮されていたようだ。
ホンダが大きく苦戦するようになって既に3年ほどが経過しているが、ファンは一刻も早い立ち直りを望んでいる。2025年に向けては当然ホンダも手をこまねいているわけではなく、新たにテクニカルディレクターとしてアプリリアからロマーノ・アルベシアーノを招聘するなど、人材面でも改善を目指している。
日本メーカーと欧州メーカーの比較として語られる中では、判断のスピードや柔軟さに差があると言われることもある。そのためアルベシアーノのような人材を獲得しても、それを日本企業が活かせるのか? という疑問はつきまとってくる。
来季以降、ホンダとしてアルベシアーノのような人物を活かすための体制について尋ねると、レース運営室長の本田太一はそのための配置変更なども行なっていると答えた。
「当然、欧州メーカーに負けていることは十分に認識していますし、そういった部分の知見を取り入れたいというのはもちろんあります」
「開発を加速させて良いクルマを作って早く勝ちたいというのはありますので、25年に向けて彼を含めて人員配置をだいぶ変えています」
つまりアルベシアーノへ強力な決定権を手渡すことになるようにも思えるが、その点については「そこはしっかり我々と合意を取りながらやっていきますが、現場ではロマーノが色々と進められるような体制になっています」と本田室長は語った。
2025年シーズンのテストは1月31日にセパンでシェイクダウンという形でスタートする。”今年こそ”ホンダの復活がなるかどうかは、こうしたホンダ内部の変更が名目上のモノにならず、しっかりと機能する体制となっているのかどうかが関わってくるだろう。同時に、両室長の手腕が問われてくる年になってきそうだ。
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