KTM、中期的にはMotoGPで3チーム目も模索? ドゥカティの勢力拡大には警戒感も
KTMは、ドゥカティがMotoGPクラスにおける勢力を拡大していることや、若手ライダーの受け皿が必要なこともあり、中長期的には勢力を3チーム6台に拡大する可能性もあると考えているようだ。
Brad Binder, Red Bull KTM Factory Racing
Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPには現在ホンダ、ヤマハ、スズキ、ドゥカティ、KTM、アプリリアの6メーカーが参戦している。そして彼らはインディペンデントチームへマシンを供給して”陣営”を形作っている。2022年にはグレシーニ・レーシングがドゥカティ傘下へと移り、ドゥカティ勢は4チーム8台とグリッド上での最大勢力になる予定だ。この状況に対して、KTMは中期的には供給チームを増やす可能性を検討しているようだ。
MotoGPを運営するドルナ・スポーツは、各メーカーにひとつずつサテライトチームを持つことを働きかけている。しかしスズキとアプリリアはまだ他チームにマシン供給を行なっておらず、その穴を埋めるようにドゥカティが勢力を拡大しているのだ。
近年のMotoGPは戦いが非常に接近したものとなっており、こうした多数のマシンから得られる豊富なデータは、マシン開発の上でも役に立つのは間違いない。さらにライバルは、ドゥカティ陣営がライダーを抱え込みやすくなるという点も警戒し、不満を抱いている。
この影響を最も受けそうなのがKTMだ。彼らは小排気量クラスからの育成プログラム実施しているが、契約ライダーが増えるにつれ、MotoGPクラスでのチャンスを与えるための十分なシートが、陣営内に足りないという状況に行き着くかもしれない。
現在KTMは、ファクトリーチームのブラッド・ビンダーと2024年まで契約を結んでいる。さらに2022年には、サテライトチームのテック3からラウル・フェルナンデスとレミー・ガードナーがMotoGPクラスに昇格し、2023年までの契約が結ばれている。しかしその下には、ペドロ・コスタなど有能な若手が控えており、シートを用意できなければこうした若手を失う可能性がある。
KTMとしてもこの可能性、つまり中期的には最高峰クラスでのマシンの数がさらに必要だということは認識しているようだ。
KTMのモータースポーツディレクターであるピット・ベイラーは、SpeedWeekに対して「2つのチームが安定し、パフォーマンスが上手く行っている感触があれば、MotoGPでの3チーム目が欲しいと真剣に考えている」と語っている。
ただドルナは、MotoGPクラスにおける新規チームの参戦枠を用意していないため、KTMが3チーム体制に”拡充”したい場合は、既存チームを陣営に取り込む必要がある。
なおKTMはテック3と契約を結ぶ以前に、ルーチョ・チェッキネロが率いるチームLCRに接触していたことを明かしている。
「我々は2年前、ルーチョと交渉を行なった。しかし彼は、ホンダに非常に義理堅いパートナーのようだった。そのため深い話し合いに入ることはなかった」と、ベイラーは話した。
「ドルナも各メーカーにひとつずつサテライトチームを持たせるという方針だったため、ここ最近はパートナーを積極的に探していたわけではない」
「そのため、我々はアビンティア(エスポンソラマ)とグレシーニに何かが起こっていると気がついた際にも、一歩引いていたのだ」
そしてベイラーは、ドゥカティが4チームに勢力を拡大している現状には、不満も見せている。
「今、ドゥカティは4チームを抱えている。グリッドの3分の1を占めているのだから、“規模”の力があることは明らかだ」
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