KTM、フランスGPでホールショットデバイスを試験導入。6メーカー出揃う
KTMはMotoGPフランスGPのフリー走行で、スタート改善を目的としたホールショットデバイスを導入。これで6メーカー全てが同様のデバイスを備えたことになる。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
近年のMotoGPにおける技術的なトレンドとして、スタート改善を目的とした装置“ホールショット”デバイスがある。
ドゥカティが2018年シーズンから試験導入を始めたこのホールショットデバイスは、瞬く間に他メーカーにも伝播。2020年シーズン中盤にはドゥカティに加えホンダ、ヤマハ、スズキそしてアプリリアら5メーカーが装備する状態となった。
ドゥカティが導入したホールショットデバイスはリヤサスペンションを縮ませた状態で固定し、リヤの車高を低く沈ませ重心を下げる。結果としてスタート時のエネルギーロスを削減しつつウイリーを抑制することで、加速の改善を狙うものとなっている。
なおアプリリアは唯一形式が異なり、モトクロスなどで一般的なフロントサスペンションを固定するタイプのものになっている。
KTMはそのトレンドの中で唯一ホールショットデバイスを装備していないメーカーとなっていたが、今年のMotoGP第10戦フランスGPの初日フリー走行でこのシステムを導入してきた。ただレースで使用するかはまだわからないという。
「僕らがそれを使ってない唯一のメーカーだったと思うけど、今回ここにそれを持ってきたんだ」
KTMのポル・エスパルガロはそう語る。
「ダニ(ペドロサ/テストライダー)がポルティマオでこれをテストして、OKだった。でももっと多くの情報も必要だし、もっと試すことも必要だ。僕らは午前と午後にスタート練習をして、ウエットとドライで試した」
「経験と情報がもっと必要だけど、大丈夫なようだった。でもレースで使用するかどうかはわからない。より多くのスタートを経験することが必要だし、機能することをちゃんと確認する必要がある。ターン1はとても速いので、問題は起こしたくないからね」
チームメイトのブラッド・ビンダーはFP2の終盤に転倒を喫したため、デバイスを使用しての練習はFP1の1回のみに留まった。しかしその効果を感じられたようだ。
「スタート練習で今朝試してみたよ」と、ビンダーは語った。
「午後にも試す予定だったんだけど、最後まで走れなかったからそこでは試すチャンスは得られなかった。でも、とてもここまではとても良い感じだった」
「だからコレを試すため、そしてどう機能するかを確かめるためにもうちょっと時間が必要だ」
サテライトチームであるテック3・KTMのミゲル・オリベイラも、ホールショットデバイスをテスト。彼によるとブレーキングでシステムを解除する際に問題があるという。
「ホールショットデバイスはまだファクトリーチームと一緒に何をすべきか、それを理解しようとしているモノなんだ」
「スタート時にバイクの重心を低くさせる必要があるから、ホールショットデバイスを使うのは簡単じゃない。それに欠陥があるようにも思える。同時に、ブレーキをかけたときに、普段のライディングポジションと同じに戻ることが必要なんだ」
「これはまだ開発中のものだ。ル・マンはターン1までの距離が大きいだけじゃなく、かなり特殊なコースなんだ。ターン1の右コーナーはとても高速で、そこではあまりブレーキを使いたくない。だからその時に(デバイスが解除されずに)ポジションが戻ってこないのは、少し危険なんだ」
「パフォーマンスの問題ではなくて、僕らは何も問題なく使えるように調整をする必要がある」
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