マルク・マルケス、ドイツGPスプリントのマシンは”大惨事”「目指せるポジションに対して、リスクが大きすぎた」ためペースダウン決断
レプソル・ホンダのマルク・マルケスは、MotoGPドイツGPのスプリントレースで、狙えるポジションに対してリスクが大きすぎたため、後退することになったと語った。
MotoGPドイツGPのスプリントレースで、レプソル・ホンダのマルク・マルケスは、7番グリッドからスタートしたにもかかわらず、11位でフィニッシュすることになった。これについてマルケスは、レースで狙えるポジションがリスクと釣り合わなかったため、抑えの走りになったからだと振り返る。
マルケスはドイツGP土曜日に行なわれた予選で3度の転倒を喫しつつ、7番グリッドを確保。しかしスプリントレースではスタート直後に5番手まで上がったものの、その後は後退する一方。結局は11位でのフィニッシュとなった。
ドイツGPの舞台であるザクセンリンクは、マルケスがめっぽう得意としているコースであり、これまで出走したレースのすべてで勝利を収めてきた。つまり今回のスプリントが、ここでの初敗北ということになった。
マルケス曰く、予選後にバランスが十分ではないと感じ、ゴールまで辿り着くために、ペースを落とすことを選択したと語った。
スプリントは完走するだけのレースだったのかと訊かれたマルケスは次のように答えた。
「基本的にはそうだ。今日起きて、ザクセンリンクに来た時、ポジティブな感覚があったのは本当だよ」
「ウエットコンディションの時には、いつものように僕らは速くて、良いポジションにいた。しかし路面が乾いた途端に、僕らはとても苦しむことになった」
「難しいコンディションの予選では、僕はプッシュしてはクラッシュし、ピットに戻ってまたプッシュしていた」
「しかし予選とスプリントレースの間にオフィスに座っていた時、(リスクを考慮すると)バランスは十分じゃないと思った」
「7位を狙うためにリスクを負うというのは、僕にとって十分なことではなかった。僕は楽観的な姿勢でレースに臨み、最初のラップではアタックを仕掛けた」
「でも1周目で攻めたことで既に、ターン11でひとつ警告を受け、ターン1でももうひとつ警告を受けた。そうなってしまった場合には、スロットルを全開にせず、レースを終えることを目指すんだ」
マルケスは今週末、既に4回転倒。ここまで4戦しか出場してないにもかかわらず、今シーズン通算では11回もの転倒を喫したことになった。
先頭に追いつくためには、「多くのリスクを負う」必要があると語るマルケス。しかしどんなポジションを争っていても、プッシュすることができない現状だと彼は言う。
Marc Marquez, Repsol Honda Team crash
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
「(転倒が)多すぎる。ちょっと多すぎるよ」
ドイツGPで転倒が頻発していることについて、マルケスは語った。
「少なくとも僕はトップのライダーたちから近いところにいる。しかし、トップのライダーに近づくためには、大きなリスクを負う必要がある。その結果、あまりにも多くのクラッシュが起きてしまう」
「僕は状況を分析し、『分かった。ここでは無理だ』と理解した。でも、ポジションを守ろうとした結果ではなかった」
「ソファーに座って、ヘレスでのグランプリを観ていた時のことを覚えている。ミル(ジョアン・ミル/レプソル・ホンダ)は、週末を通じて15位を争う間に、4回も転倒した」
「だから『そのポジションを守りたい』という状況で起きていることではない。プッシュしようとしてもできないという問題なんだ。だから、実際の状況を見極めることが重要なんだ」
スプリントレースでホンダは、リヤのグリップを向上させるため、セットアップの面で賭けに出たという。しかしそれが裏目に出て、どんな場面でも「大惨事だった」とマルケスはスプリントレースを振り返る。
「今回のレースはあまり評価できない。昨日はリヤのグリップにかなり苦労していたため、リスクを冒して、レースに向けて変更を行なったんだ」
そうマルケスは説明する。
「その変更により、リヤのグリップとマシンの旋回性がさらに失われることになってしまった。そのため、レース中のバイクは常に大惨事みたいな状況だった」
「明日はもっと良くなるはずだ。僕が知っているバイクに戻して、できる限り最高の形でフィニッシュすることを目指すつもりだ」
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