MotoGP アルガルヴェGP

ジョアン・ミル、苦しい2021年の戦いにメンタル”崩壊”「1週間も休んだのは昨年以来。今は充電OK」

スズキのジョアン・ミルは、MotoGP終盤戦のレースで精神的に厳しい状況にあったため、エミリア・ロマーニャGP後には1週間の休養をとる必要があったと明かした。

Joan Mir, Team Suzuki MotoGP

 MotoGPの2020年王者として、今季は防衛に挑んでいたスズキのジョアン・ミル。しかし今年のスズキはライドハイトアジャスターの搭載がライバルに比べて遅れるなど、マシン開発の面で先手を取ることができず、ミルは優勝なし、表彰台も5回に留まる厳しいシーズンを過ごしている。

 その結果、ミルはファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)によるタイトル獲得を許してしまった。

 ミルは特に直近の終盤戦、アメリカズGPでは8位、エミリア・ロマーニャGPではクラッシュで2周目にリタイアという厳しい結果で、精神的に厳しいところがあったという。その結果エミリア・ロマーニャGP終了後には昨年12月のオフシーズン以来、初めてトレーニングを休むほどの状況に追い込まれてしまったと明かした。

「厳しいね。ミサノ(エミリア・ロマーニャGP)のあと、1週間オフにしたことを思い出す。僕はまたしっかりバッテリーを充電するために、その時間が必要だったんだ」

 アルガルヴェGP初日を4番手で終えたミルはそう語った。

「1週間休む……そう言うと皆は普通のコトのように聞こえるかもしれない。でも僕にとってトレーニングやバイクに乗るのを1週間控えるのは、凄く長い期間なんだ」

「昨年の12月から、僕はこうして1週間休んだことはなかった」

「このオフは僕に必要なことだったんだ。2戦連続で厳しいレースをして、精神的に少し崩れてしまっていたんだよ」

「オフをとったあと、ここに戻ってきて、そしてまた競争力を発揮できるようになった。だから大丈夫だ」

「まだ初日にすぎないけど、充電できていると感じられるし、いい週末にする準備はバッチリだと思う。モチベーションに溢れているんだ。重要なことだよ」

 ミルは自身の“燃え尽き症候群”については、昨年タイトルを獲得したあと、よりハードにトレーニングしなければとプレッシャーがかかっていたことが原因だと見ている。そして、今では定期的に休みをとることが必要なのだと理解したと語っている。

「昨年に総合優勝を果たして、最終戦ポルティマオを終えたあとは、(レース明けの)火曜日にはモトクロスでトレーニングにしてたんだ」と、ミル。

「タイトルを獲得したことで、防衛のためのさらなるモチベーションが加わっていたし、よりハングリーになっていた」

「これは僕が自分自身に背負わせたプレッシャーだ。結果的に、そのプレッシャーがとても高いので、外部からはプレッシャーを感じなくなったんだ」

「昨年の12月に1週間の休みをとってからは、常にトレーニングして、精神的に改善することに集中してきた」

「今シーズンの終了が近づいてきていて、僕は最後の2レースで最高のパフォーマンスを発揮するために、1週間電源を切ってみる事が必要だったんだ」

「だからトレーニングをするのはとても大事なことなんだけど、休むことも同じくらい大事なんだ。だからこの部分で僕はもう少し改善する必要があるね」

 
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