機材が届かない! MotoGPアルゼンチンGP初日はキャンセル……ウクライナ問題も影響。ドルナCEO明かす
ドルナ・スポーツのカルメロ・エスペレータCEOは、アルゼンチンGPへの機材輸送の遅延は、ロシアのウクライナ侵攻による影響も受けたものであると説明する
MotoGPは、インドネシアからの機材輸送に遅延が発生したことにより、アルゼンチンGPの金曜日の走行を全てキャンセルすることを決定した。ドルナ・スポーツのカルメロ・エスペレータCEOによれば、この輸送遅延は、ロシアがウクライナに侵攻したことの影響を受けたものであると明かした。
MotoGPで使われる機材は、複数の貨物機に分けて搭載され、インドネシアからアルゼンチンに向けて輸送された。しかしそのうち2機にトラブルが発生。アルゼンチンへの機材到着が大幅に遅れている。
しかもうち1機は、今も経由地であるケニアに留め置かれたままであり、木曜日の夜に離陸することを目指し、交換用のエンジンバルブがヨーロッパから送られたという情報が入っている。
この影響により、アルゼンチンGPの金曜日の走行は、全クラスキャンセルされるという、異例の事態となった。
この状況を受けて、ドルナ・スポーツのCEOであるカルメロ・エスペレータが木曜日に会見を開き、木曜日の午後8時までにケニアから飛行機が飛び立つことができれば、土曜日以降のスケジュールは問題なく進めることができると語った。またこの問題は、ロシアのウクライナ侵攻によって生じた制裁の影響も受けていることを明らかにした。
「我々はMotoGPを30年間運営している間に、航空に関する状況が非常に複雑であることを学んだ」
「問題は、ウクライナでの戦争によって拡大してしまっている」
「貨物便の多くは、ロシア企業によるものである。しかし、これらの便は、現在全て使うことができないんだ」
「世界的に見れば、使うことのできるフライトのほぼ20%を失うことになった。現時点での最大の問題は、先週の水曜日から今まで問題を解決するために十分な時間をかけて話し合ってきたにも関わらず、代替のフライトが手配できないということだ」
「問題は、現時点で使うことができるフライトがこれ以上ないということだ。モンバサ(ケニア)でバルブが修理されるのを待ち、幸運にもここに到着すること以外に解決策はない」
MotoGPの機材は膨大である。そのため、複数の貨物機に分けて輸送を行なう必要がある。今回インドネシアからアルゼンチンへの輸送を担ったのは5便で、うち3便はケニア、ラゴス、ブラジルを経由し、その他の2便はドーハ、ガーナを経由した。
今回の件によって、来年以降の開催カレンダーを再考する必要があると思うかと尋ねられたエスペレータCEOは、インドネシアGPとアルゼンチンGPの間には中2週という十分な間隔があったと主張する。
「2週連続でのレース開催だった時に今回のような問題が起きたのならば、スケジュールを再考し、確実にレースを開催できるようにする必要があるだろう。でも今回は、1週間しか間隔がなかったわけではない」
「残念ながら、このような問題を回避するために、状況を解決することはできない」
「MotoGPはこれまで、499回のグランプリを開催してきた。そして幸運にも、今回のような問題が発生したのは初めてだ。正直に言って全体的には良くないことではあるが、今回のようなことも受け入れる準備ができている」
「現時点での我々の目標は、アルゼンチンでレースを行ない、来週もアメリカでレースを行なうことだ」
なお現時点(日本時間4月1日朝)では、ケニアでの貨物機の修理が完了し、31日夜に無事に同地を飛び立つことができたかどうかについては、情報がもたらされていない。
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