拡大路線のMotoGP、レース増加も“限界”? クアルタラロ&ミル「これ以上は厳しい」

MotoGPは近年、年間レース数の拡大路線を歩んでいるが、ライダー側からは既にレース数の面で限界を迎えていると指摘が飛んでいる。

拡大路線のMotoGP、レース増加も“限界”? クアルタラロ&ミル「これ以上は厳しい」

 2021年、MotoGPは新型コロナウイルスのパンデミックによる影響で、何度かスケジュールの変更が発生しつつも全19戦のカレンダーを維持しようとしている。

 1シーズン19戦というのは、MotoGPでも最多のレース数となっている。新型コロナウイルスの影響などもあり当初MotoGPが目指していた年間22戦というスケジュールはまだ実現していないが、今後も同選手権は新たな国でのレース開催を期待している。

 2020年に復活するはずだったフィンランドGPや、今年テストイベントを開催予定のインドネシアGP、さらに2023年にはハンガリーGPの開催も予定されている。なお2年前に発表されたブラジルでの開催については、サーキット建設が頓挫したため実現しない見込みだ。

 このようにMotoGPはレースカレンダーを拡大する路線を歩んでいる。4輪最高峰のF1でも今季は23戦と非常に多くのレースが予定されているが、MotoGPのレース環境を考えるとこれ以上の拡大は厳しいとライダーたちは考えている。

 2020年にMotoGPクラスへデビューしたファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)はこう語る。

「F1を見てみれば、彼らはもっとレースをしているのは分かる。だけど彼らには同じような問題はない」

「2020年のバレンシアでのレースを覚えている。11月中旬で、既に非常に寒かった。2輪のクラッシュは話が少し違うんだ。このレースでは既にタイヤ温度を維持するのが困難になっていた」

「どうやったらカレンダーを拡大できるのか、僕には分からない。熱帯の国へ行けば(気温問題の)改善はできるだろう。でも僕は拡大する必要がないと思っている。3月以前や、11月中旬以降にレースをするのはあまり適していない。簡単なことじゃないけどドルナ、IRTA、皆がよく取り組んでくれている」

 2020年のMotoGP王者であるジョアン・ミル(スズキ)も、クアルタラロの意見に同意している。彼はライダーだけではなく、サーキットへともに向かうスタッフの負担も問題だと指摘している。

「この件については、ファビオの意見に諸手を挙げて賛同するよ」と、ミルは言う。

「MotoGPではコンディションが極めて厳しくなる事があると思う。F1はより多くのレースを行なっているけど、MotoGPはこれ以上増やす余裕は無いと思う。今のレース数は良いものだと思うよ」

「もっとレースを増やすのは、ライダーだけでなくMotoGPに携わる人達にとっても厳しいだろう。家族、そして家からより離れることになる。僕らは一瞬ではなく、長くここに居たいと思っているから、状況をうまくマネジメントしないといけない」

 こうした見解には、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)も同意。移動の負担や、年々厳しさを増すMotoGPバイクのライディングを考えると厳しいだろうと語っている。

「それが僕らの仕事だし、全てのレースに準備できるようにたくさんトレーニングをしている。でも将来的に更にレースが増えれば、かなり難しくなるだろう」

「僕だけじゃなく、毎回ヨーロッパからヨーロッパ外へと移動するチームにとってもだ」

「僕たちライダーよりもチームにとってのほうがより厳しいかもしれない。こっちの仕事は毎日できるだけ高度なトレーニングをすることだ。だから多くのレースに対応できるようにもできる。だけど現時点でチームにとってはどうなるか分からない」

「それからストレスの存在もある。MotoGPマシンを走らせるのは肉体的にも簡単じゃなくて、レース後には凄く疲れるんだ。この先レースが更に追加されると、もっとトレーニングをしなくてはいけないかもしれない」

 ただレース増加を歓迎するライダーもいる。マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)は開幕時期を早めるという選択もアリかもしれないと語っている。

「新しいファンの居る新しい開催地に行くのは、いつでも良いコトだと思う」

「僕はたくさん走るのを楽しんでいる。もしかするとテストの日を減らして、レース開幕を早めるべきなのかもしれない。僕は走るのが大好きだし、1年中乗っていられるよ」

「肉体的な問題もない。ファビオが言っていた様に、ドルナはいい仕事をしている。僕らは新しい開催地を見出して、MotoGPを成長させている。それが一番重要なことだ」

 

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