苦戦続くクアルタラロ、王者に輝いた2021年のセッティングで復活の兆し？「あの時のベースを取り戻したい」

　ヤマハのファビオ・クアルタラロは、開幕から5戦を終えて表彰台獲得は1度のみと苦戦しているが、2021年のセッティングを使うことでチャンピオンを獲得した時のパフォーマンスを取り戻そうとしている。

　ホームレースのフランスGPではスプリントで転倒、決勝レースでは腕上がりの症状もあって7位が精一杯だったクアルタラロ。チームがマシンを改善する方法を把握しているかどうか、「自信がない」とまでコメントしている。

　今年、何千ものセットアップや新しいアイテムを試したというクアルタラロは、抱えている問題をうまく処理できるようにと、タイトルを獲得した2021年のセットアップに戻すことを選択したという。

「僕はあるプランを考えているんだ。それはクルーと決めたものだ。今年の初めから、何千ものセッティングを試してきたけど、2021年のセッティングで行くことに決めた」

　クアルタラロはフランスGPの決勝日にそう語った。

「どんな問題があったとしても、それはそれだ。その問題に適応できるか見てみる必要があるんだ」

「僕たちはたくさんのことを試したと思うけど、ベストは常に2年前のベースを復活させることだ。だからこのまま維持することにした」

「フィーリングは少し良くなってきていて、まだ最高とは言えないが、これまで試してきたことよりは良くなっている」

　クアルタラロは、以前のセッティングを使用することで1周あたり0.5秒速く走れるようになったと感じていたという。腕上がりの症状でレース自体は妥協を強いられたものの、レースペースに改善の兆しが見えたことはポジティブに捉えているという。

　フランスGPの決勝ではポイントリーダーのフランチェスコ・バニャイヤ（ドゥカティ）が転倒リタイアに終わったため、クアルタラロとのポイント差はわずかに縮まり、45ポイントとなった。

　今季チャンピオンシップを争うことができると考えているかと尋ねたところ、彼は「そのうちわかるよ」と答えた。

「今は遠すぎるんだ。でも、変な言い方だけど今回はもっと良いペースと良い結果を出せなかったことにある意味がっかりしているんだ」

「決勝とスプリントレースでもペースは悪くなかった。腕上がりの問題がなければ、少なくとも0.5秒速かったはずだ。いくつかのブレーキングゾーンでブレーキをかけることができなかったからだね。だからこれが話せる唯一のポジティブなポイントだ」

「それを考えるにはあまりにも遠いところにいるから、チャンピオンシップのことは考えたくない」