今のMotoGPライダーはアグレッシブ過ぎる……間一髪で事故避けたロッシ、苦言呈す
MotoGP第5戦オーストリアGPで発生したヨハン・ザルコとフランコ・モルビデリのクラッシュを間一髪で避けたバレンティーノ・ロッシ。彼はこのクラッシュがもっとひどい事態になる可能性があったと語った。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第5戦オーストリアGPの決勝レースで、ヤマハのバレンティーノ・ロッシは幸運に恵まれた。
レース9周目、ターン2でヨハン・ザルコ(アビンティア)とフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が接触し、両者はクラッシュ。その結果モルビデリのマシンがグラベルを跳ね、ターン3を回ろうとするロッシとチームメイトのマーベリック・ビニャーレスの間に飛来したのだ。
ロッシとビニャーレスは、飛来したマシンをなんとか回避。あと数瞬タイミングがずれていれば、両者は接触し大惨事となっていただろう事故を、幸運にも避けることが出来た。
赤旗中断を経て再スタートされたレースで、ロッシはクラッシュを気にしつつも、5位という結果を持ち帰っている。
レース後、この件についてコメントを求められたロッシは、次のように語り、現在のMotoGPライダーのレース中の動きに懸念を示した。
「あれは本当に怖かったし、恐ろしかった。僕が思うには、今はみんなが小排気量から(MotoGPまで)非常にアグレッシブになっている。気持ちは分かるんだけど、僕としては、攻撃性を誇張しないことが重要だと思う」
「このスポーツがとても危険だということは忘れることはできない。特にロングストレートがあって、300km/hで走るようなところではね。だからトラックで一緒に走っている他のライダーへリスペクトを持つ必要があるんだ。小排気量クラスでもブレーキングの際に走路を締めるライダーが多い」
「ザルコはフランコの前でかなりワイドにブレーキングをかけていて、おそらくフランコに抜かれないようにしていたのかもしれない。だけど接近しすぎていた。300km/hで走っている時はスリップストリームが効きすぎて、フランコには止まるチャンスがなかったはずだ」
「僕らには多くの危険があった。特に僕とマーベリックはね。もっと酷い惨事になる可能性だってあったんだ」
「ザルコとは話をして、このことを彼にも伝えた。それで彼はわざとやったわけじゃないと言っていたよ。でもとにかく、アグレッシブなのは良いことだけど、300km/hで走っている時に他のライダーの前でブレーキングをするのは、大惨事になる可能性があることなんだ」
クラッシュしたモルビデリはメディカルセンターへと運ばれ検査を受けると、幸運なことに深刻な怪我がないことが確認された。
今回のクラッシュを受け、レッドブルリンクの安全性には疑問の声も上がっている。ただロッシはトラックが危険だと考えている一方で、それ以上にライダー間のリスペクトの欠如が危険だと考えている。
「レッドブルリンクはいくつかの地点で少し危険だと思う。特に300km/hから50km/hへハードブレーキングで減速させるヘアピン(ターン3)では、方向を逆に変えなくちゃいけないんだ」
「でも僕が思うのは、それ以上にライダー間のリスペクトの欠如が、トラック自体よりもさらに危険、ということだよ」
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