漢は黙ってスリックタイヤ。小林可夢偉、ウエットレースで勝ちに行くギャンブルは失敗に終わる「漢気を出しすぎた」
スーパーフォーミュラ第8戦で、ウエットタイヤからスリックタイヤに交換するギャンブルが失敗した小林可夢偉は、優勝を狙った上での自らの判断だったと振り返るも、「漢気を出しすぎた」と語った。
写真:: Masahide Kamio
「絶対に無理だよ。絶対に無理。“漢”すぎるよ可夢偉さん。漢だわ」
雨の中スタートしたスーパーフォーミュラ第8戦SUGO。小林可夢偉(Kids com Team KCMG)がウエットタイヤからスリックタイヤに交換するという情報を無線で聞いて、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は驚いた。傍目から見ても、明らかに路面は乾いていなかったからだ。
クラッシュ車両の回収のためセーフティカーが出されたレース中盤、ポイント圏内の10番手を走行していた小林は、ある考えをめぐらせていた。雨は小康状態となっており、路面は乾いていく可能性がある。であれば、セーフティカーラン中にスリックタイヤに交換し、隊列についていくことができれば、終盤にチャンスが訪れるのではないか、と。
「ドライラインはタイヤから水飛沫全然出ないなら、(再舗装された)ニューアスファルトで濡れてるように見えて、意外と乾いてると思う」
チームに無線で訴えた小林。無線交信を担当する関口雄飛は、スリックタイヤ交換は厳しいのではないかとやんわりと伝えたが、小林はこう主張した。
「今10位やで。このまま前上がられへんて。何を守りに入ってるか分からへんわ」
結局ドライバーコールでタイヤを交換した小林は、セーフティカー解除後は我慢の走りで集団より数秒遅いペースで路面状況の好転を待っていたが、無情にも雨脚はやや強まってしまい、ギャンブルは失敗に終わってしまった。
19位に終わった小林はレース後の取材で次のように振り返った。
「セーフティカーが出たタイミングで結構雨も止んでいました。路面もこのまま降らなければ乾いてくるのかなと思いました。チームから天気予報を聞く限りは『こんな感じ(が続く)』とのことだったので、なら漢気を出してスリックで行こうといかせていただきましたが、途中で見事に雨が降ってきてしまい、その後はすごく辛かったです」
「とてもスリックで走れる路面コンディションではありませんでしたが、もしあそこで(再び)降らなければ面白いレースになっていたんじゃないかと思います。ギャンブルがうまくいかなかったというだけの話です」
「そのまま走っていたら8位……うまくいって6位だったと思いますが、そこを手堅く取りに行きたいわけではなく、優勝や表彰台を取りに行くにはあれくらいしないといけないのかなという判断です。今日に限っては、漢気を出しすぎた結果かなと思います」
仮に雨が再び降り始めていなければ、1周5秒ほど速いペースで集団に追いつけたのではないかと振り返る小林。「決まったらカッコよかったけど、決まらなかったからもう笑いにするしかないなと」と苦笑した。
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