レースレポート
スーパーフォーミュラ 第9戦・第10戦富士
アクシデント連発、近年稀に見る乱戦。岩佐が今季初優勝。太田、フラガの接触で王座争いは鈴鹿に持ち越し|スーパーフォーミュラ第10戦決勝レポート
スーパーフォーミュラ第10戦は、岩佐歩夢が今季初優勝を飾った。
戎井健一郎
編集: 2026/10/11 9:48
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Ayumu Iwasa, TEAM MUGEN AUTOBACS
写真:: Masahide Kamio
10月11日、スーパーフォーミュラ第10戦の決勝レース(41周)が行なわれた。優勝を飾ったのは岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)だった。
全12戦で争われる今シーズンのスーパーフォーミュラは、今回のレースの結果をもってチャンピオンが決まる可能性があった。ポイントリーダーの太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、決勝前の時点でランキング2番手のイゴール・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)以下に対して45点をリードしており、この差を48点よりも広げることができれば、2戦を残してチャンピオン決定という状況だった。
ただ予選ではライバルのフラガが2戦連続でポールポジションを獲得。太田はQ2でタイヤ交換時の混乱があり、左フロントだけユーズドタイヤでのアタックを強いられたが、4番グリッドを確保した。太田は勝てば無条件でチャンピオン確定、太田2位フラガ3位でも王座が決まる、そんな状況で決勝レースを迎えた。
スタートではフラガがトップで1コーナーを抜けたが、立ち上がりで2番グリッドの岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)に追い抜きを許してしまった。一方、太田は1コーナーの攻防でややふらついたザック・オサリバン(TEAM IMPUL)を攻略して3番手に上がった。
連勝に向けて岩佐を追いかけたいフラガだったが、4周目の1コーナーで太田がレイトブレーキングでオーバーテイク完了。2番手が入れ替わり、太田はこのままゴールすればチャンピオンという状況に持ち込んだ。
そんな中、8番手を争っていた野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)と大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が1コーナー立ち上がりで接触。アウト側に押し出される格好になった野村は右フロントサスペンションにダメージを負い、ストップしてしまった。これにより、5周目にセーフティカーが出された。
9周目にレースが再開され、11周目終了時にはピットウインドウがオープンとなったが、上位陣はしばらく動かず。17周目にまず2番手の太田がピットインした。
太田はアウトラップでアンダーカットを狙う大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)とのバトルになったが、コカ・コーラ・コーナーで2台接触。大湯のマシンはスピンした一方、太田はそのまま走行を続けることができた。
しかし、太田もタイムロスをしたのは明白。ここでオーバーカットを狙うべく、18周目にはフラガがピットに入った。アウトラップのフラガは一旦は前に立ったが、後ろから太田が接近。ダンロップコーナーから抜きつ抜かれつの戦いに発展したが、GR GTコーナーでラインが交錯した際に接触。ここで太田はレースを終えることとなり、この時点でタイトル争いは最終ラウンドに持ち越されることが確定した。
これで2度目のセーフティカーが出されることになったが、これが新たな波乱をよんだ。ステイアウトした車両がなだれ込むようにピットインする中、ピットボックスから出ていく福住仁嶺(NTT docomo business ROOKIE)と、ひとつ先のピットボックスに入ろうとしたルーク・ブラウニング(REALIZE KONDO RACING)が接触。ブラウニングが急減速したことによって、後続の小出峻(ThreeBond Racing)、小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)が玉突きで突っ込んでしまった。福住はブラウニングのマシンを乗り越えるようにしてピットアウトすることができたが、ブラウニング、小出、小林はここでレースを終えた。
これらの混乱の結果、岩佐、松下信治(DELiGHTWORKS RACING)、オサリバン、山下健太(KCMG)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)というオーダーとなり、25周目にレース再開となったが、ここでもアクシデントが発生。1コーナーのブレーキングで坪井が山下に追突し、坪井は1コーナーのタイヤバリアに激しく突っ込んだ。坪井はブレーキが全く効かなかったと訴えており、かなり痛がっている様子であった。今季最高成績がかかっていた山下もマシンを降り、コースサイドでうなだれた。
3度目のセーフティカー先導が始まり、時間レースの可能性も浮上する中、新たな上位オーダーは岩佐、松下、オサリバン、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、大湯となった。この時点で実に8台が戦列を離れた。
岩佐は完璧なリスタートでトップを守って1コーナーへ。松下以下はバトルが激しくなり、大湯が3番手に上がってきた。またリスタート時の後方では、今大会代役参戦の卜部和久(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が小林可夢偉(KDDI TGMGP TGR-DC)に追突してしまうという一幕もあった。
オサリバンは大湯を抜き返して3番手浮上。レース最終盤の数周で、トップ岩佐、2番手松下、3番手のオサリバンのギャップはそれぞれ1秒弱に縮まった。しかしオーバーテイクシステム(OTS)の残量的にも、岩佐に余力がある状況だった。
岩佐はそのままトップチェッカー。今季は噛み合わないレースが続いた昨年王者が、今季初勝利を手にした。2位争いはチェッカー直前まで白熱した結果、オサリバンが2位をもぎ取った。ただ3位の松下も、同じく乱戦となった第4戦鈴鹿に次ぐ表彰台を手にした。
なお10番手でフィニッシュしていた福住は、ピットレーンでの事故のきっかけとなったピットアウト時の動きが「アンセーフリリース」と判定され、レースタイムに30秒加算のペナルティが科され、11位に降格となった。また佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)と大湯には、他車への衝突行為でそれぞれ30秒加算のペナルティ。Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)にもSCリスタート時の追い越しで30秒加算のペナルティが科された。
さらにリタイアとなった坪井と太田にも、「他車への衝突行為」で10秒のタイム加算ペナルティが科されている。
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