同世代のライバルが羨む福住仁嶺の才能。「運転の上手さでは勝てない。彼のスキルは誰も盗むことができない」と親友・阪口晴南
スーパーフォーミュラで5年ぶりの勝利を挙げた福住仁嶺。同世代のライバルたちは、彼の才能を考えれば、ROOKIE Racingに移籍した今季の優勝に驚きはないと語る。
写真:: Masahide Kamio
スーパーフォーミュラ第5戦鈴鹿では、福住仁嶺(NTT docomo business ROOKIE)が優勝を飾った。福住にとってスーパーフォーミュラで5年ぶりの優勝となったこのレースで、世代を代表する彼の才能に改めてスポットライトが当たった。
ホンダのスクールでスカラシップ獲得後、海外のフォーミュラカテゴリーに参戦してきた福住は、2019年から国内カテゴリーを主戦場に戦っている。しかしスーパーフォーミュラ、スーパーGT・GT500といった最高峰カテゴリーでのタイトル経験はなし。そのため彼の名前が大々的にフィーチャーされる機会は決して多いとは言えないが、関係者は一様に福住のことを“天才”だと称する。それは同じレーシングドライバーとして共に戦ってきたライバルたちも同じだ。
福住、岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)と共に最終ラップまで僅差の優勝争いを繰り広げた太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は記者会見の中で、今季ROOKIE Racingに加入した福住の優勝は時間の問題だと考えていたとして、次のように語った。
「正直、今年中には絶対に勝つだろうなと思っていました」
福住を祝福する太田
写真: Masahide Kamio
「彼は僕が羨む能力を持っている選手だと思っています。昔から僕は天才だと思っています」
また太田は、自らも福住と優勝を争った立場でありながらも、岩佐に一度オーバーテイクを許しながらも抜き返して勝利をさらった福住のドラマチックな勝ち方には「ちょっと感動した」と言う。
そして福住の勝利に感動したドライバーがもうひとり。4位でフィニッシュした阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)だ。阪口は追い上げを見せる最中、サーキットの大型モニターを見ながら福住を“応援”していたという。
「岩佐君には申し訳ないですけど、個人的には仁嶺に勝ってほしかったです」と阪口。
「大型モニターが見えるので、僕も仁嶺を応援していたお客さんのひとりでした。ファーストスティントの前半を見た時は勝ったと思いましたが、セカンドスティントの入りでは岩佐君が接近していたので、やばいなと思い、1回抜かれた時には『おい!』と声が出ました。抜き返した時も『よーし!』って(笑)」
Sena Sakaguchi, SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING
写真: Masahide Kamio
「そのくらい、後ろから見ていてアツいレースだったと思います。ああいう勝ち方をした仁嶺も素晴らしいし、それを支えたルーキーさんも素晴らしいし、クルマを作ってきた大嶋(和也)さんの功績もあると思います。そういった物語があった中での劇的な優勝だったので、ちょっと羨ましさというか、感動しました」
「トヨタ陣営で今年最初にああいう勝ち方をするのは僕だという思いでやってきたので、先を越された悔しさはありますが、9割は祝福ですね」
阪口は同世代の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)らと共に、幼少期から福住とカートで競い合ってきた仲。阪口は、3学年上の福住が憧れの存在であったとして、同世代の中では抜きん出た才能を持っていると話した。
「レーシングドライバーとして、何も劣っているところがないというか、全部が合格点以上というか……本当に器用だし、運転をさせたら一番丁寧に速く走ってくるのは仁嶺だと昔から思っていました」
「ライバルとはいえ、歳も上なので。少し憧れというか、目標にしていた存在でした」
「仁嶺よりも運転が上手くなりたいと思ってめちゃめちゃ頑張ってきた思い出がありますが、運転の上手さでは勝てないなと。そのくらい彼のセンスは天才的なものがあります。どれだけ練習やテスト、シミュレータをさせてもらっても、彼のスキルは誰も盗むことができません」
「今までたくさんチャンピオンを獲っていてもおかしくない選手なので、勝ったことには驚きはないです。ただ、素直に感動しましたね」
「ただ、本人も自覚していると思いますが、残念ながらついてないレースが多いですよね(笑)。でも実力は僕らの世代ではピカイチだと思います」
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