スーパーフォーミュラ

“濃い週末”が続き、体調よりメンタルが大変だったフラガ。SFでは優勝争い時のピットインが裏目に出るも「違う判断はできなかった」

イゴール・オオムラ・フラガは、先日のスーパーフォーミュラSUGO戦を悔しい形で勝利を逃したが、戦略判断としても仕方がないものだったと捉えている。

戎井健一郎

公開日時: 2026/08/23 1:30

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Igor Fraga, #64 Modulo HRC PRELUDE-GT

写真:: Masahide Kamio

 イゴール・オオムラ・フラガにとって、2026年の8月は非常に濃密なものとなっている。月初のスーパーGT富士戦での大クラッシュに始まり、翌週のスーパーフォーミュラSUGO戦ではセーフティカーのタイミングに翻弄され憮然の3位表彰台……そして迎えた今週末のスーパーGT鈴鹿戦では、予選Q1でトップタイムを記録し、ようやくポジティブな形で脚光を浴びた。

「体調は大丈夫でした。ただ色んな意味で濃い週末が続いているので、どちらかというとメンタルがついていくのが大変でした」

 中継のインタビューでクラッシュによる体調面での影響を問われ、そう答えたフラガ。優勝を逃したSUGOでの決勝レース後、「本当にありえないです。僕がなぜここ(3位)にいるのかも分からない」と答えたインタビューは今も強烈な印象を残している。言うまでもなく、それは状況が整理されていないレース直後にアドレナリンが出ている状態でのコメントであり、現在の彼の見解をそのまま表したものではないのだが。

 フラガはSUGO戦で、トップでステイアウトしている際にストップ車両が複数出たため、セーフティカー出動濃厚な状況を好機と見たチームの判断でピットに飛び込んだ。実際、ピットイン中にセーフティカーが出され、フラガは優勝を争っていた野尻智紀や太田格之進の前でコースに合流してセーフティカーの後ろについたのだが、同周回でステイアウトを選んだ後続の福住仁嶺と岩佐歩夢はセーフティカーに捕まえられておらず、1周プッシュした状態でピットに入り、フラガらの前に立つことに成功したのだ。

 この一件は様々な論点から様々な意見が飛び交っているため非常に複雑だが、まず前提として、既報の通りレギュレーション上セーフティカーは先頭車両をキャッチアップする義務はなく、福住ではなくフラガを捉えたことは運用上問題はなかった。

 そして戦略判断という点に論点を絞ると、フラガのピットタイミングについてもパドック内で意見が分かれている。福住陣営や岩佐陣営のように、セーフティカーが出るまではピットインすべきではなかった、つまりピットインが1周早かったのではないかという見解もあり、NAKAJIMA RACINGも伊沢拓也監督も「SCはトップを抑えるものだと勘違いしていた」として「私のミスジャッジ」「(規則を)ちゃんと理解していたのが#14(福住)と#1(岩佐)」とSNSに投稿している。

 ただフラガとしては、例えあの周回でピットインではなくステイアウトを選んでいたとしても、レースコントロール(セーフティカー)は先頭車両である自分を捕まえにかかり、それにより損をするリスクがあっただろうと考えている。というのもフラガとしては、セーフティカーが3コーナーにあるピットレーンからの合流地点で一旦停止し、周回遅れ車両を数台見送ってからコースインしている点から、ピットレーンを通過しながら28周目のコントロールラインをトップで通過した自分を先頭車両とみなして捕まえようとしていたのではという印象がぬぐいきれないようだ。

 そのためフラガは、チームとしてあれ以上できることはなかったのではと見解を述べた。

「自分も丸1日くらい色んなものを見返して、色んな意見を見ました。その中で僕がもう1周行けば(ステイアウトすれば)良かったという意見もありましたが、僕としてはもう1周行っていたらセーフティカーに捕まっていると思っています」

「正直僕は、あれ以上できることはなかった、違う判断はできなかったのかなと思います」

 またこの一件に関しては、戦略判断やセーフティカー運用の是非は別にして、SC中もSCに捕まっていなければほぼレーシングスピードでプッシュできてしまっていることに対する安全性の懸念の声も挙がっており、FCY等を導入して各車のスピードを迅速にコントロールできれば、安全が担保されることに加えて今回のようなシチュエーションにもなり得ないと指摘されている。

 フラガはこれについても言及し、「僕もスーパーGTで結構怖い思いをしているので、安全面に関してはGTもスーパーフォーミュラも色々とできそうな感じはします。そこはみんなで話し合って、もっと改善していければすごくいいなと思っています」と述べた。

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