“F1の次に速い”スーパーフォーミュラ、王者に付与されるライセンスポイント25点は少ない? FIAの見解は「妥当」

FIAの競技担当副会長を務めるロバート・リードがF1日本GPに来場。メディアセッションで日本のレースカテゴリーに付与されるスーパーライセンスポイントについても言及した。

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

Masahide Kamio

 F1日本GPの走行初日である10月7日(金)、FIAの競技担当副会長を務めるロバート・リードが国内メディア向けにメディアセッションを開催。その中で様々な質問に応えた。

 リードはかつて、リチャード・バーンズのコ・ドライバーとしてスバルに乗り、2001年のWRC(世界ラリー選手権)でチャンピオンに輝いた実績も持つ。ラリーを引退した後はFIAなどで様々な役職を歴任し、レース界の運営やガバナンスに関わってきた。

 そんなリードに尋ねたのは、FIAが設定するスーパーライセンスポイントについて。F1に参戦するために取得しなければいけないことで知られるスーパーライセンスは、近年では発給条件が厳格化。直近3シーズンでスーパーライセンスポイントを40ポイント以上を獲得しなければ発給されない仕組みになっている。

 このスーパーライセンスポイントは世界各国の選手権で上位の年間成績を残したドライバーに付与されるが、最も配点が高いのはF1直下のカテゴリーでFIAが管轄するFIA F2で、ランキング上位3名には40点が付与され、その時点で発給条件を満たせるようになっている。同じくFIAが管轄するシングルシーター選手権であるFIA F3も王者に30点が与えられる。

 一方で、F1マシンを除けば世界最速のマシンとも言われる『SF19』を用いた日本のスーパーフォーミュラの配点は、F3よりも低い。チャンピオンに与えられるポイントは25で、これはFIA公認のフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権と同じ。ちなみにフォーミュラ・リージョナルは、F3とF4の中間に位置する車両規格のレースだ。

 このように、車両性能や競技レベルを考えればスーパーフォーミュラの配点は少ないようにも感じられるが、この点についてリードに率直な意見を求めた。

 スーパーフォーミュラの配点は妥当と考えるか? そう尋ねると、リードは次のように語った。

「ああ、そう思う」

「スーパーライセンスに関するワーキンググループは全てのカテゴリーのポイントに目を向け、あらゆることを考慮している」

「ひとつは、FIAシングルシーター選手権の流れを汲んでいるか、そしてFIAの安全基準を満たしているか。これら全てのことが、ドライバーが(FIA管轄の選手権と)異なるルートを選択する可能性と共に考慮される」

「日本にあるような選手権のことを認めることも重要だと思っているが、FIAが作った道筋の中核となる部分を尊重することも重要だと考えている」

「ワーキンググループは先週か先々週あたりにも会合を開いたりと、物事は定期的に見直されている。我々はCOVIDのパンデミックの間、過去4年間の内で3年間(のライセンスポイントをカウントする)とするなど、変更を加えた。というのも、ここ数年間は皆が必ずしも色んなことができる訳ではない状況だったからだ」

「我々は良いシステムだと思っているが、常に様々な機会などに関して定期的に目を向けている」

 なお最近ではレッドブルが、来季のアルファタウリのドライバーとしてインディカーに参戦していたコルトン・ハータを起用することを目指していた。しかしインディカーもF2などと比べると配点が少なく、ハータのスーパーライセンスポイントは40に満たなかった。FIAは特例でのスーパーライセンス発給も認めず、レッドブルは最終的にハータ獲得を断念することになった。これについてはアメリカを中心に、スーパーライセンスの発給制度を見直すべきだとの声も上がっている。

 
 
 
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