中嶋一貴、引退発表翌日にSFテストに参加。2日目午前が実質的な“国内ラストラン”に?「これはこれで自分らしいのかな」
現役引退を発表した翌日、スーパーフォーミュラの合同/ルーキーテストでステアリングを握った中嶋一貴。今後も何らかの形でレーシングカーをドライブする可能性を否定しなかったものの、ファンの前で本格的な走行をするのは今回が最後になるかもしれないと語った。
Kazuki Nakajima, ROOKIE Racing
Masahide Kamio
12月6日、東京・お台場で行なわれたTOYOTA GAZOO Racingの2022年体制発表会にて、レーシングドライバーから引退することを表明した中嶋一貴。しかしその翌日、鈴鹿サーキットで8時45分からスタートしたスーパーフォーミュラ合同/ルーキーテストでは、ROOKIE Racingの14号車をドライブする中嶋の姿があった。
中嶋は雨の中行なわれた初日午前の走行を担当。最多の34周を走り、ベストタイムは1分54秒054で15番手だった。午後の走行は大嶋和也にバトンタッチし、2日目午前のセッションで再びステアリングを握るようだ。
中嶋曰く、今回のテスト参加は、来季以降スーパーフォーミュラに参戦しないことを決意した後に決まったことだという。
「ルーキーレーシングは2021年からチームのベースが新しくなっていて、かつ1台体制なので、データも比較できず大変だと思います。そういう意味でも、色んな目線からクルマを良くしていくためにオファーをいただいたと理解しています」
中嶋はそう語った。
「僕に出来るのは、感じたことを伝えることだと思います。それが大嶋選手がこれまで言ってきたコメントと違いがあるのかはチームも興味があると思いますし、朝のセッションではその辺りを擦り合わせしていきました」
「スーパーフォーミュラは速いクルマですし、乗っていて面白いので、こういった機会をいただけてありがたいです」
今後はTOYOTA GAZOO Racingヨーロッパ(TGR-E)の副会長として、ヨーロッパに拠点を移すこととなる中嶋。このような機会があれば今後もオファーを受けたいかと尋ねると、次のように述べた。
「スーパーフォーミュラに関しては、そこは現役の選手がやるべきことだと思いますし、自分から積極的に『乗りたい』と言うことはないと思います。その時の状況次第ではありますが、僕が関与することは想像できないですね」
「特にスーパーフォーミュラはレベルが高いですし、その(レギュラー参戦する)ドライバーのものだと思っています。ただ、何かクルマに乗れる機会があれば乗りたいですね」
つまり、日本国内で正式な“引退レース”を行なっていない中嶋にとって、日本のファンにトップカテゴリー車両での勇姿を見せるのは、今回のテストが最後になるかもしれないということだ。中嶋本人もその可能性について認めつつも、そういった派手ではないキャリアの終わり方が自分らしいのかもしれないと結んだ。
「今回はレースではありませんが、こうやってお客さんの入れる環境でちゃんと走るのはおそらく最後になると思います」
「ちゃんとした形で日本のファンの皆さんの前でご挨拶できずに終わってしまったことは心残りではあります。ただ、派手に何かをやりたいタイプではないので、申し訳ないとは思いつつも、これはこれで自分らしいのかなと思ったりしています」
なお、今回のスーパーフォーミュラ合同/ルーキーテストに関しては、当日にゆうえんちモートピアの入園料(中学生以上 2,000円、小学生 1,000円、幼児 800円、65歳以上 1,000円)を支払えば、グランドスタンドや各観戦席で観覧することができる。中嶋のレーシングドライバーとしての勇姿を見届けるチャンスは、最後になってしまう可能性もある。ぜひサーキットに足を運んでみてはいかがだろうか。
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