【スーパーフォーミュラ】大湯、好調過ぎたが故の予選クラッシュ……「ポールしか見えていなかった」
スーパーフォーミュラ第3戦オートポリス予選でクラッシュを喫した大湯都史樹は、ポールポジションを獲れる自信があったからこそ「ポールしか見えていなかった」と振り返った。
降り続く雨の影響により、4度も赤旗が掲示される波乱のセッションとなったスーパーフォーミュラ第3戦オートポリスの予選。その4回目の赤旗の原因を作ってしまったのが、TCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹であった。
大湯は同日午前にこれまたウエットコンディションの下で行なわれたフリー走行でトップタイムを記録。ウエットコンディションのオートポリスは自身が最も得意とするところであったため、相当な自信を持って予選に臨んだ。
天候悪化の懸念から通常のノックアウト方式ではなく、40分間の計時方式で行なわれた今回の予選は、大方の予想通りクラッシュやスピンが相次ぐ展開となった。開始直後にクラッシュした大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)を筆頭に、中山雄一(KONDO RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も濡れた路面に足を取られ、それぞれ赤旗の原因となってしまった。
福住のマシンを回収するための3度目の赤旗が解除された後は雨脚が若干強くなっていたため、これ以上のタイム更新は難しいと思われていた。そんな中、果敢にアタックしたジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)がトップタイムをマークすると、大湯もセクター1で全体ベストタイムをマークするなど、それを上回らんとするペースで快走していた。
しかし、大湯は大嶋と同じく高速100Rに出来ていた“川”に乗ってしまい、コントロールを失ってアウト側のスポンジバリアに激突。自走でピットに戻って来られたものの、左のフロントサスペンションに大きなダメージがあり再出走は叶わず、赤旗の原因を作ったとしてその時点で記録していた1分38秒719という5番手タイムも抹消されてしまった。
クラッシュを喫してしまったアタックラップを振り返り、大湯は次のように語った。
「その前のアタックでは、(100Rで)攻められるか攻められないか微妙なコンディションでしたが、多分行けるだろうという感触がありました。アタックの前のウォームアップラップでも、滑りやすい川の部分で攻められるかを確かめましたが、僕の中では行けると判断しました」
「しかし、あの時はちょうど雨が強くなっていたタイミングでした。そのことも考慮していましたが、思った以上に路面の状況が変わっていて、川の水量が多くてスピンしてしまいました」
「僕個人としては、あのラップは“乗れている”という感触がありましたし、ポールを獲れるだろうと思っていました。それを言うと、去年のSUGOも同じような状況でクラッシュしちゃったんですけど……。やり切ったとは思いますが、もう少し考えて走るべきだったかなと思います。赤旗を出してしまうとタイムが抹消になってしまうので、あそこで無理をしなくても良かったかなと思います」
大湯が語る通り、予選でスピンやクラッシュを喫して赤旗の原因を作ってしまうと、仮に好タイムをマークしていてもそれが抹消され、グリッド後方からのスタートを強いられるリスクがあった。しかし大湯は、まだ攻める余地があると感じたこと、そしてライバルがどこまでタイムを上げてくるか読めなかったことから、ウォームアップラップで100Rの川の状況を確かめた上で攻めに出たとのことだ。
リスキーなセッションにおいて大湯を駆り立ててしまったのは、その自信だったようだ。得意のサーキット、得意のコンディションでの予選。ましてや直前のセッションではトップだった。そういった状況が、彼を「ポールしか見えない」精神状態に置いてしまったように見受けられる。
「フリー走行が良かっただけに、ポールを獲るという気持ちが前に出過ぎちゃったかなと思います」と大湯。
「ポールしか見えてなかったですね。それだけ感触が良かったんです。行けるという自信を持って走ったらセクター1がパープル(全体ベスト)で、セクター2も良かったんですけど……」
「明日は(雨であれば)おそらくピットストップはないと思うので、それを考えると追い上げは難しいと思います。雨だと1周2〜3秒速くないと抜けないでしょうから。ただ、その中でも光る走りを見せたいです」
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