【スーパーフォーミュラ】野尻智紀、3連勝逃すもタイトルに向け確かな手応え「レースが続けば優勝争えた」

TEAM MUGENの野尻智紀は、天候不良によって途中終了となったスーパーフォーミュラ第3戦を振り返り、最後までレースができなかったことは残念ではあるものの、ポジティブな点の多かったレースだと総括した。

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

Masahide Kamio

 雨により波乱の展開となり、最終的に赤旗が振られて途中終了となったスーパーフォーミュラ第3戦オートポリス。ポイントリーダーの野尻智紀(TEAM MUGEN)は、スタート直後の混乱に巻き込まれながらも5位でフィニッシュした。

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 赤旗が4度掲示された大荒れの予選で7番グリッドを確保した野尻は、スタート直後の1コーナーで牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)のマシンに軽くヒットした後、スピンしている数台の車両をかいくぐるために減速を強いられた結果、11番手までダウンした。

「1コーナーに関しては、フロントをロックアップさせちゃって、僕の左フロントと牧野選手のサイドポッドが当たっちゃいました」

 野尻はそう説明する。

「牧野選手は元々行き場がなかったかと思いますが、それでさらに追い討ちをかけちゃったかなと思います。僕も前を塞がれていた影響で順位を落としてしまいましたが、幸い僕も牧野選手もそれほどダメージはなかったかと思います」

 5周目にセーフティカーランが解除された後、野尻は猛然と追い上げを開始。6周目の1コーナーで豪快な3台抜きを披露して8番手に上がると、その後も大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)、大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)らを鮮やかにオーバーテイクしたところで11周目にセーフティカーが出動した。その後は赤旗でセッションが中断となり、レース再開のタイミングを伺っていたが、結局天候は回復しないまま11周終了時点の順位が正式結果となることが決まった。

 野尻はこれで5位。ここまで開幕2連勝を記録していたが、2008年の松田次生以来となるトップフォーミュラ開幕3連勝はならなかった。ただ、ウエットコンディションで見せたレースペースにはかなり満足しており、初のタイトル獲得に向けて励みとなる1日になったようだ。

「ペースも良かったですし、良いオーバーテイクもできました。1コーナーが全てだったと思いますが、内容的には悪くなかったし、むしろ良かったと思います。雨でもしっかり走れるのが分かったし、満足しています」

「タイヤを見ても、周りではタイヤが痛んでいる選手もいましたが、僕はそうではなかったので、あのまま走っていたとしても優勝争いに追い付けたと思います。結果には出なかったですけど、ポジティブな点はたくさんあったと思います」

 野尻は今回のレースで3点を加点し、シリーズポイントを48点とした。今回は周回数不足によってハーフポイントとなったこと、そしてシリーズランキング上位が軒並みポイントを積み重ねられなかったことも手伝って、野尻は依然大量リードでランキングトップに立っている。ランキング2番手の平川亮(carenex TEAM IMPUL)は23点。実に倍以上の差がついている。

「今回はハーフポイントなので、シリーズを考えればこのポイントは使わないことになると思いますが(編注:今季は全7大会中、最大で上位5大会分のポイントが有効ポイントとなる)、そういうレースでも強さと速さを見せられたことは周りにとっても脅威だったと思います」と野尻。

「今後はSUGO、そしてもてぎが2回、そして鈴鹿と続きます。近年僕たちはもてぎをうまく走れていません。チャンピオンシップを考えると、SUGOと鈴鹿を確実に取って(優勝して)、今年こそもてぎで表彰台争いや優勝争いができるようにしないといけないと思います」

 

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