【スーパーフォーミュラ】昨季最多勝の坪井翔、2021年は歯車噛み合わずランキング15位「速さがなかった原因を探らないと」
2021年シーズンのスーパーフォーミュラをランキング15位で終えた坪井翔は、苦戦の原因が分からず、歯車が噛み合わないまま1年を終えてしまったと悔しさをにじませた。
写真:: Masahide Kamio
2021年のスーパーフォーミュラでは、ディフェンディングチャンピオンの山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)が苦戦したことが大きなトピックとなったが、昨シーズン最多の2勝を挙げてランキング3位となった坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)にとっても、今季は不本意なシーズンとなった。
2018年の全日本F3(現スーパーフォーミュラ・ライツ)を19戦17勝という圧倒的な成績で制した坪井は、2019年からセルモ・インギングでスーパーフォーミュラ参戦をスタートさせ、着実なステップを踏んでいた。2年目の2020年はランキング3位に入ったこともあり、3シーズン目に向けてはチームも本人もタイトル獲得への手応えを十分に持っていた。
しかし、坪井は開幕から歯車の噛み合わないレースが続いた。開幕戦富士は雨が降り始めたレース終盤にスピンアウト。第3戦オートポリスではスタート直後の平川亮(carenex TEAM IMPUL)との接触でリタイアとなり、第6戦もてぎでもセーフティカー明けにスピンを喫してレースを終えた。予選でも上位に食い込めないレースが続き、決勝の最高位は第2戦鈴鹿の7位、最終的なランキングは15位に終わった。
「去年は2勝してランキング3位だったので、3年目にかける思いは強かったですし、チームも僕もタイトル争いには十分絡めるという手応えを持って臨んだシーズンでした。しかし歯車が噛み合わず、速さもなく、自滅してチームに申し訳ないことをしたレースもありました」
Sho Tsuboi, P.MU/CERUMO・INGING
Photo by: Masahide Kamio
今シーズンをそう振り返った坪井。体制面では所属チーム、担当エンジニア共に2勝を挙げた昨年から変更なし。新たにチームメイトとして加入した阪口晴南が予選でコンスタントに上位に食い込み、決勝でも2度の表彰台を獲得したことからも、チーム自体の戦闘力が落ちてしまったとも言えない。にもかかわらずここまで成績を落としてしまったということもあり、坪井本人もチームも未だ不振の原因を見つけることはできていない。
「速さを見せられなかった原因を探らないといけません」
「体制は何も変わっていません。強いて言えばチームメイトで新しい子(阪口)が入ってきたくらいです。言い換えれば僕がチームを引っ張っていかないといけない立場でしたが、それができませんでした。どうやってチームを引っ張っていくのか、どうやったら速いマシン作りができるのかなど、石浦(宏明/チームアドバイザー)さんを見習って、強いセルモを取り戻さないといけません」
「復調できないままシーズンを終えてしまったので、少し自信を失いかけてはいますが、今年1年やりたいことはやれたし、ダメなことの洗い出しはできたと思います。来年も同じ体制で乗れるのであれば、今年ダメだったこと、良かったことをしっかり整理していきたいです」
山本や坪井のように、前年に好成績を残していたドライバーであっても、翌年は突如として不振に陥ることがあるのが、ワンメイクで1000分の1秒を懸けた熾烈な争いが繰り広げられるスーパーフォーミュラの恐ろしい点であり、同時に奥深い点でもある。しかし、彼らにもこれまでの実績に裏打ちされたプライドがある。このまま黙ってはいないはずだ。
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