“ホンダミュージック”のプライドか? HRC、SFエンジン音テストで攻めの排気レイアウト採用。F1技術も駆使
スーパーフォーミュラ第6戦富士の翌日に行なわれた開発テストでは、HRC(ホンダ・レーシング)製の排気管を搭載した『赤寅』が走行し、排気音のテストが行なわれた。

スーパーフォーミュラ第6戦が行なわれた富士スピードウェイでは、決勝翌日の7月18日(月)から恒例の開発テストがスタート。塚越広大がドライブする『白寅』には、“より良いエンジン音”を目指してHRC(ホンダ・レーシング)が開発した排気管が搭載され、排気音テストが実施された。
この排気音テストは、前回のSUGOテストの際に初実施。その際にはTCD(トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)が開発した排気管が石浦宏明が乗る『赤寅』に取り付けられたが、今回の富士テストでは白寅を使ってテストが行なわれた。
白寅の排気管の開発に携わったHRCの鵜篭由之氏は、「トヨタさんと大きくコンセプトは違わないと思う」と話したが、排気管のレイアウトはSUGOの赤寅と今回の富士の白寅とでは異なっている。
前回のSUGOテストで赤寅に付いていた排気管は、“ウェイストゲート”(タービンを回転させるために使う排気ガスのうち、余剰分を逃すための機構)からの排気を独立したパイプで出していた。そのため排気口はふたつ設けられていた。

SUGOで排気音テストを実施した『赤寅』
Photo by: Motorsport.com / Japan
一方今回の白寅は、「エンジンのメインのテールパイプに、ウェイストゲートから出す排気をドッキングして、脈動をズラすような形」で、8気筒サウンドに近付けることを目指しているという。排気口はひとつであり、実際にカウルを開けた状態での白寅が公開されると、排気管は迷路のように入りくんだ取り回しになっていた。

短いバージョンの排気管(手前)は午前中に使用
Photo by: Motorsport.com / Japan
また排気管の長さも、長いものと短いものの2種類が用意された(上記2種類よりも短いタイプもあったようだが、今回は使用せず)。午前中は短い排気管で走行。長い排気管はスペースの面でもかなりギリギリを突いて作られたものであり、投入を見送る可能性もあったようだが、佐伯昌浩ラージプロジェクトリーダー(LPL)の意向もあり、午後のセッションで投入された。
鵜篭氏は「長い方の排気管が良い音がしていました。開発側の立場で言えば、計算して実際に走ってみて、音が変わったという結果が出たことは良かったです」と話した。
また、排気管の開発には長年のF1参戦で培われた技術も投入されているという。実はこの排気管には、熱害を防ぐためにF1で使われているものと同じ断熱材が巻かれているのだ。鵜篭氏曰く、この断熱材は「びっくりするほどのお値段」だといい、仮にこれを採用するとなった場合は軽量化に加えてコスト対策が必要だという。
特に長いパイプを使った午後のセッションは高い音色を奏でていたように感じられたが、今後の伸びしろについて鵜篭氏は「エンジン回転がかなり絞られているので、V8の音に近付ける次の一手があればと思いますが、まだアイデアはありません。今の時点では最大限だと思います」とコメントした。
ただ佐伯LPLは、富士スピードウェイのように標高が高く気圧の低いサーキットではなく、平地でテストをすればもっと良い音が出る可能性があると指摘。今後は標高の低い鈴鹿サーキットでのテストも予定されているが、そこでも排気音テストが実施されるのか、注目だ。
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