スーパーフォーミュラ 第8戦:SUGO

掴みかけたSUGO戦勝利が幻に……フラガ3位「完璧なレースだったのに、非常に悔しいです」|スーパーフォーミュラ第8戦

勝利に近付きながら、セーフティカーのタイミングに泣き3位フィニッシュとなったイゴール・オオムラ・フラガは、悔しさを隠さなかった。

田中 健一 戎井健一郎

編集: 2026/08/10 7:02

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写真:: Masahide Kamio

 スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーフォーミュラ第8戦。決勝レースの途中までは、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)に追い風が吹き、優勝の可能性が高まっているように見えた。セーフティカー(SC)が出動するまでは。

 しかしSCのタイミングがフラガにとっては最悪であり、最終的には3位に終わった。

 フラガはこの結果について、セーフティカーの運用が正しかったのかどうかは分からないとしつつも「非常に悔しい」と語った。

 フラガはレース序盤、野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に次ぐ3番手を走っていた。ペースから見ればこの3台が後続を引き離していて、優勝争いはこの3台に絞られたようにも見えた。

 そんな中太田がまずピットストップを行ない、野尻はこれに反応。しかしフラガはこの流れに乗らず、ピットストップを先送りにして最初のスティントを伸ばした。

 この時のフラガのペースは、新しいタイヤに交換したはずの野尻や太田と遜色ないものであり、オーバーカット作戦が成功しつつあるように見えた。

 しかもフラガには、さらなる好機が巡ってきた。複数台のマシンがコース脇にストップしたのだ。

 これでSCが出動すると判断したチームは、フラガをピットに呼び込む。そしてフラガのタイヤ交換作業が始まろうかどうかというタイミングで、実際にSC出動が宣言された。

 チームは抜群の作業でフラガをコースに送り返した。そしてコースに合流した時には野尻&太田の前。オーバーカットに成功し、勝利にさらに近づいたように見えた。そしてSCの後方に隊列を組んだ。

 しかしフラガがピットインしたその周、ステイアウトを選択したマシンが2台いた。福住仁嶺(NTT docomo business ROOKIE)と岩佐歩夢(TEAM MUGEN  AUTOBACS)である。彼らは実際にSCが宣言された後、つまりフラガの1周後にピットインしたのだ。

 フラガがピットアウト後にSCに抑えられた一方、福住と岩佐はSCに抑えられることはなかった。その結果、このふたりがトップ2に。再開後も彼らがポジションを維持し、チェッカー。フラガは3位フィニッシュとなった。

 SCのタイミングに納得がいかないフラガは、レース後のインタビューに「あり得ない」と短く答え、表彰式にも憮然とした態度で臨んだ。

 その後に行なわれた記者会見でフラガは、少し落ち着きを取り戻したように見えたものの、悔しさを隠さなかった。

「複雑というか、非常に悔しいです」

 そうフラガは語った。

「僕らとしては完璧なレースをしていたと思いますし、前を走っていた太田選手らがピットに入った後もステイアウトしたんですが、そこからのペースはすごく良くて、タイヤを交換した彼ら(野尻、太田)と変わらないペースで周回できていました。チームのタイヤ交換作業も、多分過去1番くらいに完璧でした」

「ピットストップした後は、セーフティカーラインで野尻選手のギリギリ前に出ることができましたし、トップで(SC明けに)リスタートできるんじゃないかなと思ったら、SCの運用の結果、気付いたら3番手だった……」

「前にマシンがいるとなかなかペースが伸びなかったんですが、最後は岩佐選手に近づいていって、近い距離でゴールしたので、パフォーマンス的には悪くなかったと思います」

 チームからは無線で「あり得ない……絶対にトップだったはず」と聞かされていたというフラガ。マシンを降りた後、そして表彰式にどんな心境で臨んだのか? そう尋ねると、フラガはこう語った。

「僕らにとっては、勝つチャンスがあったレースです。ドライバーもチームも、全力を出し切っています」

「完璧な仕事をしたのに、SCの正しい運用なのかどうかはよく分かりませんが、それで優勝を逃してしまった。僕としても、フルポイントのレースで初優勝するチャンスでもあったので、勝てなかったのは非常に悔しいです」

 なおレギュレーション(国際競技規則)には、セーフティカー出動に関して、次のように規定されている。

「セーフティカーはオレンジライトを点灯させながらピットレーンからスタートし、レースの先頭車両の位置に関係なくトラック上に合流する」

 つまり文面からすれば、今回のSCの運用手順には間違ったところはなかったと言える。しかしそれでも、フラガにとってはあまりにも悔しい、そんなSUGO戦の結末であった。

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