トヨタの水素エンジンカローラ、スーパー耐久開幕戦を欠場。テスト中の水素漏れ火災で復旧間に合わず
トヨタは3月18~19日に開催されるスーパー耐久第1戦鈴鹿5時間レースで参戦を予定していた、水素エンジン搭載のカローラが欠場することになったと発表した。
写真:: Motorsport.com / Japan
TOYOTA GAZOO Racingは3月18~19日に開催される2023年のスーパー耐久第1戦鈴鹿5時間レースへ出場予定だった#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 Conceptが欠場することになったと明かした。
この32号車は燃料に水素を使用するエンジンを搭載。トヨタはカーボンニュートラルなモビリティ社会実現に向けた技術開発の一環として、2021年から水素エンジン搭載車での同シリーズへの参戦を行なってきた。
今年も開幕戦に参戦予定だったが、トヨタの発表によると3月8日に富士スピードウェイで実施した専有テスト走行時に、エンジンルームの気体水素配管からの水素漏れによる車両火災が発生し、その結果車両復旧が間に合わないことから、スーパー耐久開幕戦の出場を断念することになったという。
なお、この水素カローラは今年から燃料が気体水素から液体水素に変更されている。昨年まで使用されていた気体水素と比較すると、液体水素では航続距離を2倍にできるなどのメリットが見込まれていた。
またトヨタは代替車両としてガソリン車のORC ROOKIE GR Yarisでの走行を予定しているという。
今回の欠場発表に際し、トヨタは次のように原因となった車両火災について説明している。
「今回のテスト走行での水素エンジンカローラは液体水素を使用していました。ただし、本事象は気体水素から液体水素に燃料変更したことが直接の原因ではなく、車両振動による配管結合部の緩みが生じたため、水素が漏れたことが分かっております。配管結合部がエンジン近辺にあったため、漏れた水素が熱されることで、引火しました」
「一方で、当初設定した狙い通りに、水素リークセンサーによるフェールセーフが正常に機能し、水素の供給が停止され、大幅な延焼は避けられました。その結果、キャビンは守られ、乗員の安全対策について確認する事が出来ました」
「従って、今回水素漏れの原因となった配管設計を見直すことで、より安全な車両開発を行っていきます」
「今後も、仲間とともに、レース参戦に向けて開発に取り組み、カーボンニュートラル実現に向けて、水素エンジンカローラでの挑戦を続けてまいります。特に、今年は液体水素でのレース走行という世界初の取り組みにチャレンジしていきます。引き続き、温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします」
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